大ギアダッシュ型の研究(下)


大ギアダッシュ型の研究(上)
大ギアダッシュ型の研究(中)


 本日の四日市記念決勝戦、ギアをいつもの3.64から3.71に上げた伏見が逃げ切って優勝しました。今日のレースは打鐘から誘導がかなりスピードを上げていましたから、他の選手がダラダラと脚を使わされる中、大ギアの伏見には有利な展開になりました。


 伏見はこれまで論じてきました「大ギアダッシュ型」とは異なります。カマシ/捲りが本領の選手ではなく、押さえ先行で逃げ切ることもできるからです。ダッシュ型は押さえ先行では掛からなかったり最後失速する例が多くあります。去年の今頃から半年間ほど、金子貴志が押さえ先行にこだわるレースをして、いつも直線失速していたのを覚えている方は多いでしょう。金子は実戦で訓練することで、ダッシュだけではない、伏見のような総合力に優れた先行選手を目指したのでした。


 大ギアダッシュ型は大ギアによって持久力を増したダッシュ型ですが、押さえ先行は依然として苦手とします。よって、後ろ攻めでは飛ぶことが多い。石丸寛之が後ろ攻めにされた挙句に右往左往して負けるのを観たことがありますでしょうか。あれが典型です。また、たまたま中段が取れたときも意外と伸びなかったりします。逃げている選手のペースに合わせてタイミングを計るより、一気のダッシュを活かすほうが脚質に合うのです。大ギアダッシュ型を買った場合、ホーム7番手でもあきらめることはありません。


 今日の伏見のように普段大ギアを履かない選手が、大事なレースにだけギアを上げることがあります。これを勝負ギアといいます。なぜ普段から大ギアを履かないかというと、戦法的なこともありますが、大ギアが脚腰に負担が大きいことも理由に挙げられます。ダッシュ型は回転力に優れたタイプですが、それでも大ギアの負担はあります。初日二日目とカマシ/捲りで好走しても三日目四日目になると凡走するケースには注意が必要です。また、ヒザや腰を悪くして成績が急降下することもありますので、追いかける場合は見極めが重要となります。


 無意味に一ヶ月に渡って引っ張って参りましたが、以上のことを念頭に、しばらく三ツ石くんの様子を見てみたいと思っています。さっそく明日の防府10Rに出走し、人気にもなると思われますが、どうでしょうか。押さえて駆けるであろう原田隆は格下ですがダッシュが有りますので、カマシを敢行すれば合わされる恐れ大。捲りではこのバンクゆえ厳しい。よってナシと見ます。かといって、何が来るかは知りませんが。