射幸心神話の崩壊


 競輪らんどに世界選手権の大変興味深いレポートがアップされています。これについていくつかネタを思いついて*1書きたくてうずうずしているのですが、我慢して3連単の続きです。


 まあ要するに・・・って他に書きたいネタが出てきたから投げやりになってるみたいですが、射幸心は依然として人の心にあるのですが、情報過多、価値相対的な世の中にあっては、相対的に射幸心の地位が下がっているのではないかと思うのです。言い換えれば、人の心に眠る射幸心を発動させるのが昔よりも難しくなっていると言えます。そしてそれをうまく発動させているのがパチスロやネット証券会社であり、射幸心というエンジンを掛けられずに困っているのが公営ばくちということになります。


 ポイントのひとつはいかに幻想を持たせられるかです。これは昔から射幸心を煽って稼ぐ商売の基本ですが、前述のような現代社会では幻想を持たせるのが難しくなってきています。そんな中で、パチプロや、○億稼いだデイトレーダーという存在は大きいです。ばくちなので全員がそのようになれるわけはないのですが、実際に「プロ」がいるというのは大いに人々の幻想を掻きたてます。対して公営ばくちには、それだけで生活ができると信じている人はもはやいないでしょう*2


 もうひとつのポイントは一発当てるまでのリスクや手間などのマイナス要素をいかに考えないようにさせるかです。パチンコホールの大音響は人を思考停止に陥らせます。短いひとつの勝負が流れるようにどんどん続くのもポイントです。瞬時にやり直しが効くのです。ネットトレーディングはファミコンの昔からありましたが、手数料の大幅な値下がりやアクセスの簡便化、操作に関するインターフェイスの改善などで、ずいぶん手間やストレスを感じないものになっています。対して公営ばくちの場合、性質上推理の時間が必要です。その、性質上当然に存在する「考える」ことと「時間」がストレスとしてのしかかります。15分考えて当たらないより、考えずに打ち続けれるほうが楽なのです。また、電話投票やネット投票や動画配信は発達していますが、現場が基本な公営ばくちはアクセスという点で劣ります。


 この2つ目のポイントが同様に当てはまる業界は詐欺業界ではないでしょうか。昔ながらの詐欺は実際に対面したうえで手間隙かけて相手を騙しますが、オレオレ詐欺は電話と銀行振り込みを利用し、おそらくはマニュアルに従って、淡々と騙します。そして電話を利用することで、見破られても次の瞬間には他の標的に向かってやり直しが効きます。これは大変便利です。若者がスロットにハマるのとオレオレ詐欺に従事するのは同根だと思うのはわたしだけでしょうか。

 
 結局、現代では単に射幸心を煽るだけではだめで、射幸心を掻きたてさせるためのシステムが必要であり、そのシステムに要求されるレベルがどんどん上がっているわけです。では性質上不利な公営ばくちはどうしたらいいんでしょうねえ。とりあえず現状のまま利益を増やそうと思ったら、3連単控除率を上げて他のは下げればいいんじゃないですかね。控除率を気にする人って意外に少ないですから。多分この辺は検討してるんでしょうけど。ほんとは全部控除率を下げて欲しいんですけど、同じ理由でそれが売上げに直結するとはあまり考えられません。


 現状を打開する線で考えるならば・・・と書いてから20分くらい考えましたがわかりません。誰か教えてください。
 

*1:日本勢惨敗の理由を探るとかの陳腐なのじゃないですよ。

*2:いたらすいません