消費者金融とばくち

企業信用調査会社・東京経済の「東経ニュース」(07年5月24日付け)は、07年に入りパチンコ店運営会社の倒産が相次いでいる原因の一つをこう説明している。
 

 「パチンコ業界では消費者金融の法改正を受け、パチンコファンがパチンコにつぎ込む資金が減少した」


消費者金融業界では、06年に多発した無理な取立て、上限を超える金利での貸し付けなどの不祥事が相次いだ。さらに、貸出上限金利の引き下げなどを盛り込んだ改正貸金業法成立を受け、貸し倒れリスクの高い人への融資を一段と絞った。


武富士アイフルアコム、プロミスの大手四社の成約率は三月時点で平均44%と、申込者の半分以上が審査でふるい落とされた」(日本経済新聞07年5月18日付け)


つまり、ふるい落とされた中に、パチンコファンが多かったのではないか、というわけだ。
J-CAST ニュース : 消費者金融「お客選別」のあおりで パチンコ業界厳しい! 


 なんだか最近記念の売上げが伸び悩み気味だったり、ヒラも、先日の松坂のニュースにもありましたけど(参照)、見込みほど売上げが上がらなかったりするのですが、競輪ほか公営ばくちにもこのサラ金の審査厳格化が影響しているのかもしれませんね。*1幸か不幸か公営ばくちのギャンブル性は今のパチンコ・スロットほどではありませんので、がっつりハメられる客が少ない分、パチンコに与える影響ほどはないんでしょうけど。



 この話、岸和田記念のエントリのコメント欄(参照)でネブトさんにすでに指摘されていたことでもあります。

2.昨年12月改正の貸金業法・利息制限法を受けて、最近クレジット会社・貸金業社がシステムを急変させたため、給料日前に玉を引っ張ってくることができなかった。
例:クレジット大手のO社は、5月末までに月々返済額の増額かカード停止かの二者択一を顧客に迫っている


下流喰い―消費者金融の実態 (ちくま新書)
 サラ金のCMの最後にはたいてい「ご利用は計画的に」とテロップが出ます。しかし実は貸す側がノルマやなんやらのために無計画に追い貸し追い貸しして借り手の金銭感覚を狂わせ、多重債務者を量産していたんですよね。その辺の話はこちらの本などに詳述されていますが、こういう貸し倒れリスクを省みない商売の手法もきっと少なくなったんでしょうね。それはそれでよいことです。


 パチンコ・スロットの機種変更の話は実際導入されてみないと分かりませんが、大ハマリか大当たりかのばくちと、それを支えていた高利貸しの構図が崩れようとしているのかもしれません。しかし人のばくち欲はどこかで吸収しないといけない。まったりと小銭で長く遊べるのは公営ばくちです。法改正がなされれば控除率が下がりますからさらにまったり遊べます。ひょっとしたら公営ばくちで食える幻想も生まれるかもしれません。これを好機とできるかどうか…ってどっかのブログでみたような話になりつつあるのでこの辺で。 

*1:ええと、宮杯の売上げは下げ止まったんですけど、これは例年雨に祟られるのに珍しくお天気が良かったからということで。