深谷知広の出るレースは猛烈に売れる件

 現在、スーパールーキー深谷知広はS級2場所目の花月園を走ってますが、強いですね。今日は負けましたけど打鐘からガンガン行っての2着です。

 ところで、連勝記録は前場所大垣の決勝で止まってしまいましたが、ある意味連勝と言える事態が起こっています。今のところのS級5戦で、深谷の走るレースがその日一番の売り上げを記録しているんです。大垣でも花月園でも深谷の走った予選9Rがメインの特選よりよく売れています。両方ともメインに組まれた準決勝は前のレースにダブルスコアをつけての大商い。決勝は言うまでもありませんね。

 これは大垣も花月園も場外の少ないF1だったという面が大きいのでしょう。ネット・電話で金がジャブジャブと流れ込んでいるんですね。深谷のレースだけに。

 そういえば花月園について議論した神奈川県競輪組合あり方検討委員会の議事録にもこんな記述がありました(参照)。長いですが引用します。

花月園観光(株)  現在、今期を含めた来年度以降の見通しというのは、この場でコメントができないということをご理解頂きたいと思います。 ただ1点、レースごとの売り上げの推移やお客様の嗜好の把握については、常々、私の方から受託グループの方に細やかな指示を出しているつもりです。 顕著な例としては、以前は1レースから10レースまでほぼ右肩上がりの売上げで、レースごとに積み上がっていく傾向にありましたが、昨今はお客様がレースを選んで買う傾向が現れてきており、例えば7レースが2レース前の5レースの売上げに負けてしまうような傾向がでてきております。いい選手、自分が目当ての選手、人気のある選手、車券の買いやすい選手が出るとポーンと上がったりするという傾向がでてきています。 それをどう生かすのかということになってくると、やはり有力選手であるとか、いわゆる車券が売れる選手を誘致するであるとか、またそういう選手を見つけだしてJKAに斡旋を依頼し、その選手を競輪場に呼ぶというような方策をとっていこうと考えております。

 花月園観光の方は言及していませんが、これはやはりネット・電話投票の普及が大きく影響していると思うんですね。

 ちょっと話がそれますが、先日紹介した『いい日、旅打ち』という本(参照)で触れておいて欲しかった話がありまして、それは今のように記念レベルでの場外が発達していなかった頃、全盛期の滝沢正光や吉岡稔真を追いかけて全国を旅打つ競輪客がいたという話です。そういうエピソードは、今は絶版のようですが、伊集院静の『夢は枯野を―競輪躁欝旅行』などに見ることができます。

夢は枯野を―競輪躁欝旅行 (講談社文庫)

夢は枯野を―競輪躁欝旅行 (講談社文庫)

 そのネット・電話版現象が深谷に起きているんですね。安定して*1圧倒的な強さを見せる選手がいると、本命党はもちろん、今度こそ飛ぶだろうと思う穴党をも引き寄せることができます。本命党がオッヅを引き下げれば引き下げるほどさらに穴党は寄ってきます。これが安定して強い選手の魔力です。いつまでも連対を続けるわけがないと考える天邪鬼は一定数いるものですからね。かく言うわたしも今日は叩き合いで高田真幸の4回転捲りが火を噴くと考えて買ったクチなんですけどね。さらに売り上げが多いと大枚を突っ込みやすくなります。F1でこの効果は大きいですね。

 A級戦でもこういう現象は起きていたんでしょうけど、S級戦なら客のすそ野が広いですから効果は大きいですよね。今後、売り上げを考えた場合、第二第三の深谷の出現を望むとともにネット投票会員のさらなる増加を図ることが重要だと思います。競輪でもネット・電投の売り上げだけは毎年増えていますが、いまだJRA競艇の売り上げ比率には及びません。ひとつにはやはり客層が高齢なことがあるんでしょうけど、なんとかならないでしょうか。効果はともかくいろいろ方策はあると思いますけど、現在ネット投票のみの重勝式の人気爆発もネット投票全体の底上げにつながると思います。というわけでいつも言ってるあれを何とかして欲しいものです。

 

 

 

*1:こことても重要