神戸ブランドの自転車フレーム、絶妙技術若手へ継承

 神戸市西区森友の工場で、プロ競輪選手用の自転車をオーダーメードで手掛け、最盛期には選手の6分の1に当たる約600人から受注し、「国内シェア1位」にもなった。しかし、日下さんが高齢になったこともあって2007年に競輪選手用の生産を終了。翌年、「コンフォート‐」と業務提携を結び、一般利用者向けの注文生産のみに応じていた。
 末瀬さんはオリジナルブランドの設立を検討していたが、日下さんが引退を考えていることを知り、事業を引き継ぐことに。昨年から若いスタッフを日下さんの元に派遣。経営権を今年3月に購入し、現在は2人が溶接や塗装技術を学ぶ。

 一見いい話のようですが、VIVALOのフレームは競走中の事故が相次いだことで2007年に競輪の使用を停止処分にされているんですよね(参照)。もちろん高齢も理由のひとつではあるんでしょうけど、競輪選手用の生産終了は停止処分が決定的理由です。ちゃんと取材すれば分かる話だと思うんですけど、知ってか知らずか完璧な美談に仕立てあげてますよね。

 しかしまあ事故が相次いだのはビルダーの高齢も原因だったのかもしれません。一時代を築いたブランドを、ピストの魅力に目覚めた若い人が引きつぐというのはその心意気やよしと言っていいでしょう。でも、せっかく名門VIVALOを引き継いだのなら競輪への登録復活を目指してこそなんぼのもんですよ。それくらいの心意気でやって欲しいものです。