自転車トラック競技スタート

いよいよ、推定全国50万人(ものすごい勢いで減少中)の自転車ルンペンプロレタリア達のメインイベント、自転車トラック競技が始まった。とは言っても、今日は競輪選手の出番無し。1kmTTに出走を予定していた井上昌己(長崎86)は腰に不安がある為、出走を取りやめた。これのどこが「良好な仕上がり」なんでしょうか?チームスプリントでメダルを獲るためには、明日3回モガかないといけないんですが?
シドニー五輪以後のトラックナショナルチームを端的に言うと、「長塚智広(茨城81)というたまたま見つけたゼロ発進の天才を使って、なんとかしてチームスプリントでメダルを獲る」ということに集約される。シドニー五輪では、ケイリンが初めて正式種目となったこともあって、チームスプリント(当時の名称はオリンピックスプリント)とケイリンがメダル有力種目とされていた。しかし結果は、チームスプリントこそ5位と善戦したものの、ケイリンは惨敗。今回はチームスタッフの発言を見るに、チームスプリントに最重点を置いた雰囲気である。が、ワールドカップと違ってベストメンバーで臨んでくる欧州勢および豪州の壁は厚い。しかも、タイムの出るこのバンクも各人に持ち時計のない日本チームには不利。
メダルを獲得して競輪への注目度を上げたいとの目論見が競輪界にはあるが、仮になんとか銅メダルを獲ったとしても、今大会の日本の異常なメダルラッシュ状況では、あっさりと他競技の話題に埋没してしまう。今までのコストに見合った結果は、金メダルしかない。チームスプリントはごまかしの効かない競技である。金メダルを期待するなら、ケイリンで恵まれまくってもらうしかないのでは?紛れのあるケイリンで恵まれるには、勇気を持って先手先手と攻めていくことが必要なのは言うまでもない。

今回のオリンピックは、メダル有力種目(および、そのようにマスコミが煽る種目)の中継しかない。「BSはぜんぶやる」のキャッチフレーズはもはや形骸化している。自転車競技の放送枠も、シドニーに比べて明らかに少ない。それに加えて、日本勢の活躍が見込めなくても世界的に話題になっていておかしくない競技を、日本のマスコミがほとんどとりあげなくなった。例外は競泳男子自由形くらい。国威発揚の匂いが露骨にするのは気のせいか?