Don't Stop Thinking

昨日の岸和田記念決勝は周回中の並びが最終バックまで変わらないという単調なレースだったため、例によってコンドル(http://www.condor-s.com/)のオヤジをはじめ、ネット上でも非難轟々だったようだ。
非難の矛先は動かなかった荒井と峠に向けられているけど、峠は昨日書いたように荒井にずっと見られていたから、記念初優出という特殊な状況もあり普通に前を叩くレースができなくても仕方なかったような気がする。
荒井の場合は、結論から言うと大垣全日本選抜決勝の高城のように赤板前から上昇して市田打鐘前に引かせるようなレースをすべきだった。うまくすれば古原以下の切り替えを誘えるし。赤板から峠を普通に上昇させると、市田は峠を前に入れて絶好の3番手を手にすることになる。かといって荒井自身が峠が行く行かないに関わらず赤板から上昇すると、地元四匹を背負った責任重大市田は突っ張っただろう。二車とはいえ強い荒井を前に出させると後々厄介だし、古原が切り替えないとも限らない。どちらにしても後ろが加倉だけの荒井は不利。それならば6番手でじっと脚を溜めての捲り勝負が得策と考えたのだろう。実際、荒井は決勝戦ではあまり逃げていない。近畿ラインが、市田が気楽に走れるような構成だったら荒井は前を抑えたんだろうけど。
見た目の展開が単調だからといって、競輪の醍醐味である駆け引きも単調というわけではない。逆にこういうレースのほうが、例えば捲りライン-捲りライン-徹底先行ラインの三分戦で赤板から徹底先行ラインが普通に上昇して先行しての捲り合戦なんかよりも深くて面白いと思う。競輪客のやるべきことは、なぜこんなレースになったのかを分析して、今後も有り得るパターンだと思ったら自分の競輪頭にストックしておくなり、負けた選手のオツムや度胸の程度を覚えておくことだ。*1怒りを露わにしたって、金銭欲と名誉欲とラインのしがらみで走ってる選手はそんなこと聞きゃあしないんだから。このレースも、荒井にやる気が無かったんじゃなくて、荒井に金銭欲がありすぎたからこうなったんだと思う。

*1:実際、決勝戦で地元ラインが前取ってそのまんまというレースはたまにある。誘導が赤板手前からペースを上げて遠征勢の上昇を防ぐケースが多いけど