競輪国際主義〜欧州編

ツール・ド・フランス

http://www.trackmania.de/news.report/rep.121104.htm
月英マンチェスターで行われるトラックワールドカップの最終日に、日自振がスポンサーとなって、賞金制のケイリントーナメントが行われる。2001〜2年に、オープン・デ・ナショナルというトラックの大会と合わせて行われていたケイリン世界選手権が復活した形だけど、今回は賞金を前面に出しているし、参加する選手も18→27名(うち競輪選手は各6名)と規模拡大。
ヨーロッパでは自転車競技がサッカーに次ぐほどの人気を得ている。しかし主に人気なのはツール・ド・フランスジロ・デ・イタリアに代表されるようなロードレースで、トラック競技はロードほどの人気は無い。というかジリ貧だという。・・・アテネ五輪でのベロドロームのあの盛り上がり方でジリ貧だというなら、観音寺競輪はどうなるんだと言いたいが。今シーズンからトラックのWカップや世界選手権をロードのオフシーズンである冬に移動したのは、自転車ファンの目をトラックにも向けてもらうためだ。このケイリンのイベントも人気回復策の一環なのか。日自振的には、こういったトラック競技の厳しい状況の中でケイリン競技を五輪種目として存続させるための活動のひとつなんだろうけれども。
ヨーロッパのトラックの選手は競技だけでは食っていけない状況にある。→食っていけなければ選手層は薄くなり、盛り上がらない。→なおさら食っていけないの悪循環。

日本には4200名もの登録された競輪選手がいるが、これは欧州での全プロロード選手より多いのだ。日本全国において、各50の競輪場で3日間の開催が年 12回行われている。それらの多くの開催で高額の賞金が用意されている、つまり日本のサイクリストにとって競輪は、最も簡単にお金になる種目なのである。*1

ヨーロッパでも賞金制の競輪を開催して車券を売ればいいのに・・というのは向こうの文化を知らない浅はかな考えかもしれないけど、背に腹は変えられない状況ならそういう動きもあるかも。
環境運動が盛り上がって自転車が見直され始めた90年代に、ヨーロッパのある自転車活動家は日本で自転車に乗ったばあさんが荷車を引いているのを見て感動したそうだ。むこうではなぜか「物を運ぶ自転車」という概念がなかったから。いわゆるママチャリも日本で独自に発展したものだ。

競輪は単に楽しみのためばかりでなく、世の中のためにも役立っているのである。レース収益の約8パーセントは、国中の社会福祉や環境等の各プロジェクトのために使われているのである。*2

「世の中に役立つ金を生み出す自転車」という概念もひとつ導入してもらえないものか。ヨーロッパで競輪が万が一にも流行すれば、人気を日本に逆輸入できるかもしれないから。ドイツのテクノポップグループ「クラフトワーク」の去年出た最新タイトルは『ツール・ド・フランス』az。テクノのトラックにヴォコーダーで自転車用語を載せた曲が話題になったけど、高速BPMに「ライン」「打鐘」「先行」「捲り」「落車」などの競輪用語がのっかった「ケイリングランプリ」なんて曲が出る日を夢見て・・・。


しかし、

競輪はその闘い振り(レース)自体に大変な人気があり、ファンの熱狂的な興味を惹きつけるものである。また、日本で最も人気のあるギャンブルとみなされている*3

というのはどうか。だれがそうみなしているんだろう?

*1:数年前のデータですね

*2:社会福祉」と「環境」は欧州人の好きそうな言葉だ。サテライト設置するときには、必ず地域の環境悪化を理由に反対の住民運動が起こるんだけど・・・。

*3:30年前なら間違いではない