うるさくて気持ちいい


 以前、かつての西宮競輪バックスタンドの様子を渋さ知らズやらジョン・コルトレーンの『アセンション』(asin:B00005L8YJ)やらに例えたことがありましたが(こことか)、久々に大勢によるやかましいフリージャズのレコードを聴きました。


Electric Ascension

Electric Ascension

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 上述の『アセンション』が米国で発表されたのは40年前。わが国では競輪が全盛期を迎えておりました。その『アセンション』を電気楽器やエレクトロニクスをも含めた編成で演奏しましたよというレコードです。1曲で1時間強あるのですが、冒頭で短いモチーフを演奏した後は皆さん好き勝手にドッタンバッタンギョギョギョギュワーンブリブリブリと実にうるさくて楽しい。ドラムがもうちょっとヤケクソならばもっとよかったのですが。


 競輪客として西宮で育ててもらいましたので、こういう大勢が好き勝手に大声でがなっている状況が大好きなのですが(大勢が手拍子合わせたりするのは大嫌い)、なかなかこちらの競輪場でそのような場には出くわしません。即興演奏の世界ではここ数年、東京のとあるライヴハウスの周辺事情から生まれた弱音系の演奏が世界的な影響力を持つようになりましたが、観音寺競輪場のスタンドも前衛音楽の流れに同調したのか、年々静かになっています。

*1:画像を使う便宜上アマゾンにリンク張っていますが、Improvised Music from Japanで買いました。