国際競輪は打ちにくいがテオ・ボスは観たい


 昨年からの国際競輪改革には基本的に賛成です。一昨年までは外国勢vs日本勢による二段ロケット三段ロケットの打ち合いでした。二段ロケット三段ロケットはたまに打つからこそ、犠牲になる選手とそれを活かす選手のドラマが生まれて面白いのであって、見え見えのロケット合戦は奥ゆかしさもへったくれもなくてつまらない。去年の制度変更によってロケット合戦は格段に減りました。しかし、日本勢vs外国勢という構図やヨコの制限から発生するいびつなレースはどうしてもなくならず、やはりまだ違和感があります。


 そこで、改革路線をもう一歩進めて、特別扱いしない通常の競輪競走に外国人を放り込んだらどうかと思うのです。以前にも書きましたが、トラック競技の世界選手権終了後〜寛仁親王牌くらいまで、短期免許でもくれてやって。ヨコ制限のお達しも出さない。ヨコの動きを制限しても転けるときは転けるし、今の若い日本の競輪選手より外国人のほうが転ろびやすいとは思えません。


 で、以下がこのエントリの肝なのですが、外国人は今のように全員修善寺に幽閉しておくのではなく、各地区ごとに配分し、そこに滞在してもらう。もちろん練習も各地の競輪場で。要するに外国人選手を日本人選手の敵ではなく助っ人外国人にしてしまうのです。そして、同じ国の選手が例えば関東と近畿の先頭で走ることになると間接連携されてしまう恐れがありますので、国籍ごとに配分するのがいいのではないでしょうか。

 
 オリンピックでメダルを獲るような外国人選手が地方の競輪場で練習するとなれば、地元の一般マスコミも採り上げてくれるでしょう。若くて意欲のある日本人選手は、外国人トップ選手の練習ぶりを見て得るものがあるに違いありません。また逆に、日本のベテラン選手が「勝負勘の養成」などと称してパチンコに誘うことによって外国人選手を堕落に導き、自転車トラック競技での日本勢の躍進につなげることができるかもしれません。


 でも、一番興味があるのは、実に阿部謹也の世間論的なライン競輪の世界に外国人をそっくりそのまま放り込んでみたらいったいどうなるかという点であります。テオ・ボスなんかは、そんなことはお構いなしにホーム捲りで全部勝っちゃうかもしれませんけどね。