成人の日の最後に若者と競輪について考える

　昨日は新年会で、近所のレコ屋さんの店長さんのおいしい手料理を頂きながら音楽好きの皆さんとわいわいやってました。宴の終盤、「ヤンキーについて」(笑)の話題になったのですが、これが大変面白かった。一部を紹介しますと・・・

　香川県の非ヤンキー*1は一様に「香川にはヤンキーが多い」と言います。田舎ですのでヤンキーが多いのは当然といえば当然なのですが、香川県特有の事情がないか考えると、セルフうどんの存在に思い当たりました。香川県も他の田舎同様にいわゆる「ファスト風土」化していますが、香川県では県内各地にいっぱいセルフサービスのうどん屋があります。セルフうどんの一般的価格は1玉(小)150円前後、2玉(大)230円前後といったところ。大にてんぷらをひとつ乗っけても300円ちょっとです。マクドナルドや吉牛が安いとはいっても食べ盛りのエネルギッシュな若者を300円で腹一杯には出来ませんが、香川のうどん屋では300円で腹一杯です。このうどんがヤンキーの生存率を高めているのではないかという話になりました。

　一番興味深かったのが、最近のヤンキーはレゲエやヒップホップを聴くという話。しかも、他のジャンルのファンよりもすごい勢いでCDを大量に買ってゆくんだそうです。そういえば、2年前まで18,9の若者相手の商売をしていたのですが、音楽好きという若者に「パンクとか?」て聞いたら「レゲエ」という答えが返ってきて、おやっと思ったこともありました。日本のレゲエやアンダーグラウンドなヒップホップはメディアに載ることは少ないですが、ヤンキーの間ではここ数年、口コミ(それもネット上のではなくリアルの)や「先輩ヤンキーのお薦め」でどんどん広がっているんだそうです。地方ではヤンキーが若者層でマジョリティを占めるところも少なくないですから、その消費行動は無視できません。

　さて、お約束ですがここからは競輪の話です。

　競輪場にはヤンキーがいません。競馬場よりはいるような気もしますが、それでもいません。そもそも若者が居ないから当たり前ですが。しかし前述のとおり、ヤンキーの消費力は特に地方では無視できません。日自振や施行者はなんとか若者を競輪場に呼ぼうとしていますがうまくいっていないようです。それはそうです。インターネットによる情報提供や車券の購入を改善しても、ヤンキーの消費行動とは全く関係ないからです。

　「レジャーの多様化」は売り上げ減少原因のお約束ですが、ヤンキーコミュニティにおいてそれはあまり当てはまりません。ヤンキーコミュニティでは、コミュニティ内の口コミ情報によって文化が決定され、また、ファッションに顕著ですが、ヤンキーは文化を共有することによって安心感・連帯感を得る傾向が強いですから、その文化はコミュニティ内で爆発的に流行します。

　どうしても若者を競輪場に呼びたかったら、「レジャーの多様化」を享受している層ではなく、ヤンキー層にターゲットを絞るべきです。競輪場が若者に避けられる最大の要因は「ガラが悪い」ですが、ヤンキーはそんなこと気にしません。この点でも有利です。また、ヤンキーはこの少子化社会においても比較的繁殖力が旺盛ですし、ヤンキーの子もたいがいヤンキーになります。長期的に見た場合、これは大きいです。

　しかし、現実的には困難な問題があります。ヤンキーの好む博打はパチンコ・スロットですから、これに勝たなければなりません。難解と言われる競輪をどうやってヤンキーに浸透させるか、これが一番の問題でしょう。この問題はゆくゆく考えていくとして、さしあたってヤンキーを競輪場に呼ぶ策をいくつか考えてみました(ネタ注意報発令)。

1.カリスマヤンキー*2や影響力のあるジャパニーズレゲエのアーティストを広告塔にする。　

2.場内BGMに大音量でダンスホールレゲエやレゲトンを流す。
　もっとも、選手入場曲までレゲエだとなんだかやる気が出ないので、そこだけはワルそうなヒップホップで。一昨年のグランプリだったかヤンググランプリだったかの入場曲はミクスチャーロックでしたが、ちょっとずれています。

3.競輪場にはリー・ペリー(レゲエ、ダブの偉い人)みたいなじいさんがいっぱい居ることをアピールする。こんなん↓

Lee Scratch Perry on the Wire

追記
id:stknkgwさんによりますと、平塚はヤンキーが多いとのこと。近畿や四国では若者自体見かけないんですけど、東日本と西日本とでは様子が違うのかなあ。そういえば西日本では競艇がヤンキーをある程度吸収しているような気もしますし。あるいは平塚がなんらかの方法でヤンキーの取り込みに成功したということなのか。だとしたら西日本各場は平塚を見習うべきかも。

*1:この日の面子は全員非ヤンキー

*2:そんなん居るのかどうか知りませんが