競輪学校改革というか競輪のKEIRIN化について


 下重改革というのは、新人を大量に投入して縦の脚のない選手を代謝し、「競輪」を「KEIRIN」に変えてしまおうということなのかなあとぼんやり考えています。この前の記者会見で発表された競輪学校入試の見直し「ネクスト・ジェネレーション・レース(Next Generation Race)」とを結び付けただけなんですけどね。


 暮れに行われた産業構造審議会車両競技分科会車両競技活性化小委員会(長い)では、今回の入試改革よりさらに突っ込んだ改革について議論されたようです。資料↓
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g51219b01j.pdf
曰く

1.競輪学校入学人数を200〜300人に。特別選抜も増加。そのかわり代謝も増加。
2.競輪学校の教育方針の見直し
3.敢闘精神欠如や欠場には厳しく対処
4.外国人選手に恒常的な参入を認める


年間300人の増員というのはすごいですね。全員を卒業させるわけじゃないのでしょうが、外国人選手の参入もありますし、もしこれが導入されて2〜3年も経てば、選手全体の脚質構成がガラっと変わってしまう可能性もあります。捲りを打てる選手のほうが多くなるかも。


 ネクスト・ジェネレーション・レースは、KEIRINと、競輪とKEIRINの中間のようなレースをエキシビションとして行うそうです。その際注目すべきは、実験台となる競輪学校の生徒にラインを組ませるかどうかでしょう。KEIRINでは建て前としてはラインはないことになっていますし、横の動きが制限されるので先行の番手は捲りが飛んで来た際にはブロックするのではなく番手から出なければなりません。捲りの番手も、捲りが不発なら自ら外を踏む必要があります。すなわちラインを組んだとしても従来の役割分担は当てはまりません。しかし客は「競輪」のライン戦に慣れ親しんでいます。ここをどう折り合いをつけるか。あるいは突き放してしまうかが日自振側の思案のしどころです。誘導のスピードを上げるだけならばライン戦は維持できそうですが、KEIRINをやりたいというのが本音なんじゃないでしょうか。


 もしUCIルールのKEIRINにするとなると、今までより失格基準が断然厳しくなり、客にしっかり周知しておかないと高松競輪掲示板炎上の二の舞いになります。また、番手のブロック、いわゆる「仕事」ですが、これを好む客は多いと思われますので、反発も予想されます。番手に「仕事」を期待できないとなると自力選手はカマシか捲り、できれば捲りで勝負したいですから、従来の「競輪道」は崩壊するでしょう。「競輪道」より魅力的ななにかを新しい競走は提供できるでしょうか?新しい競走の模索は「競輪のエンターテイメント化(世界標準化)」の一環だそうです。なんでエンターテイメント化=世界標準化なのかよく分かりませんが、旧来の客の大部分を失うかもしれないという覚悟を持って、改革を議論してもらいたいと思います。