競輪開催中の大地震想定 松阪で全国初の訓練

競輪開催中の大規模な地震を想定した震災訓練が3日、松阪市春日町松阪競輪場で行われた。全国の競輪場でつくる全国競輪施行者協議会(東京)が、同市や消防の協力を得て、全国の競輪場で初めて実施した。

(中略)

同協議会は訓練の様子をビデオに収録し、全国47か所の競輪場をはじめ、希望があれば競馬場や競艇場にも配布し、防災訓練を行う際の参考にしてもらう。 


 備えあれば憂いなしですね。大勢の人間が集まる場所(最近はそうとは言えませんが)は特にいざというときのために準備を万全にしておく必要があります。全輪協が音頭を取ってこのような訓練を行ったのは有意義なことですね。


 ところで、同じ訓練の模様を伝える中日新聞の記事に面白い記述がありました。

「レース中に大地震」想定 松阪競輪場で観客を守る総合訓練

訓練では、警戒宣言の発令直後に警戒本部、地震発生と同時に対策本部を設置。「驚いて転倒した観衆数人が骨折、負傷」「車券販売・払戻窓口に観衆が殺到している」などの報告が次々と入る中、参加者たちは2004年11月に定めた松阪競輪場震災対策マニュアルに沿い、避難誘導や救助、放水など各自の役割を果たした。

「車券販売・払戻窓口に観衆が殺到している」などの報告


 競輪客ったら大地震でもおかまいなしに窓口に並びますからねえ・・・って違いますよね。明らかに、地震のどさくさに紛れて客が暴徒化し略奪が起きることを想定しています。やっぱり競輪客ってこういうふうに思われているんですよねえ。西宮最期の日、表彰式でお偉いさん方の警備がいつもより数段物々しかったのを思い出しました。しかし防災担当者はあらゆる危険を想定して対策を整えておかなければなりませんから、暴徒化を想定した訓練を行うこと自体は間違ってはいません。ただ、暴徒化の危険は競輪場に限らず市街地のどこででも起こりうる話だとわたしなどは思いますので、やるんだったら競輪場だけではなく他の防災訓練でも行って欲しいと思います。善良な市民の皆様は怒ると思いますけどね。


 ところで、略奪に対処する訓練は具体的にはどのように行われたんでしょうねえ。催涙ガスとかでしょうか。鳴尾事件のように鉄砲でしょうか。あるいは松阪だけに、暴徒1人当たりにつき2万円を払ってお引取り頂くという策かもしれません。*1


*1:98年1月に松阪で雨敢の扱いを巡って誘導員ストが発生し、1R発走直前になって開催中止が決定。一部の客が騒いで事務所に殺到し、競輪場側が1人当たり2万円を支払って事態を収拾したという事件がありました。おかげで松阪競輪は二ヶ月の開催中止に。