下流競輪選手とはなにか


 YAHOO!で「池本和俊」を検索するとうちがサイクルテレホンセンターのプロフィールページに続いて2位で表示されるようです。あわわ。グーグル様では全然出てこないんですけどね。


 徹底先行選手といえば客からもラインの他の選手からも信頼される職業です。激しい先行争いを繰り広げるその姿からはすさまじい闘志を感じることができます。徹底先行の代表格である村上義弘に対するイメージがまさにそうですよね。

 
 …というのが徹底先行に対する一般的な評価だと思うんですけど、徹底先行全員が闘争本能そのままに先行を貫いているわけじゃないですよね。デビューしてまもなく、師匠や周りの年寄りから先行先行とうるさく言われているような新人ならともかく、デビューして5年以上経っても先行を貫く理由はいくつか考えられます。

  1. 「先行」という戦法にプライドを持っている。
  2. ダッシュもトップスピードも欠け、地脚しかないために相手より先に仕掛けるのが得策だから。
  3. 捌きが非常に苦手。併走すら恐い。
  4. 同地区同クラスに先行型が極端に少ない。
  5. 先行して力をつけるつもりで先行しているが一向に強くならないためしつこく先行している

 
 各先行選手がこれのどれかひとつだけに当てはまるというわけじゃなくて、たいていはいくつかの理由が重なっていると思われます。で、先月某選手のブログを見ていてふと新たな理由が思い浮かんだのですが…


6.ラインの人間関係がめんどくさいから先行している。


 一周駆けてホーム・バック取れば仲間うちから戦法についてとやかく言われないわけですから。S級下位〜A級の若手中堅にはこういうのが割りといる気が最近しています。もちろんこの理由だけで先行する選手はいないと思いますけどね。あ、池本選手がこうだと言ってるんじゃないですよ。思い浮かんだのは先月ですので。


 マークに転向したほうが負けを人のせいにできるので気楽かもしれませんが、自力を捨てるときにはやはり周りとの軋轢が生まれます。競輪選手の世界は自由な自営業者の集まりのようでもあり、それでいて人間関係のややこしい世界でもあります。そんな世界に三浦展言うところの下流な若者が入り込んだら、きっと先行という「気楽な」職業を選ぶのではないかと。


 よく考えたら『ギャンブルレーサー』に登場する、先行していた頃の大場カ太郎はまさにこういう選手でしたね。家でゲームばかりしてましたし。ということは別に目新しい話でもないのか…。