つっこみ力

つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力 (ちくま新書 645)


 反社会学講座でお馴染み…かどうかは知りませんが、パオロさんの新作がでましたよわーい。そのタイトルも裏表紙の著者プロフィールも新書というフォーマットをおちょくっていて、本を開く前から楽しいですねえ。


 内容は、偉い人のたいそうな説や世間の常識を面白おかしくおちょくるパオロメソッドを、脱線というか例示を交えながら説明してゆくもの。「つっこみ力」で大事なのは愛と勇気とお笑いだそうです。それぞれ要約すると、愛とは分かりやすさ、勇気とは権威を恐れない心、お笑いとは正しさよりも面白さを求める態度のことでしょうか。なるほど、ブログで議論になるときなんかも読んでる人をぶっ千切って痛々しい論争になることも多いですから、このような「つっこみ」は常に意識しておきたいですね。世の中なにが正しいかなんか容易に答えが出るものではないですから、面白さを追求するほうが得です。


 斜陽の競輪に対しても、冷笑主義じゃなくて、あくまでお笑い主義を心がけていきたいと思います。そのほうが楽しいし、意外と、あるかどうか分からない答えへの近道になるかもしれないですしね。


 偉い人の主張がヘンだと思った場合も面白おかしくつっこみましょう。つっこみの対象となるボケは本書によると奇才・異才のワザだそうです。なるほど確かに、思い込みだけで一年間も毎週毎週、車券買うわけでもないのにレースをチェックし企画エントリを立て続けるのは奇才のなせるワザとしか言いようがないですね。


 このつっこみは競輪に負けたときも応用できるかもしれません。今日の最終レース、わたしを含めて小嶋ラインの人間臭いライン競輪を想定し、山口兄弟折り返しで勝負していた人は多いと思われますが、小嶋は化け物であって人間ではなかったと考えれば諦めもつくし楽しいではないですか。そうでもないか。