「競輪廃止で損害」認める 西宮市などに賠償命令

判決は、阪急電鉄が96〜99年、同組合の求めなどを受けて特別観覧席を設けるなどの投資をし、その価値は約15億円にあたると指摘。「組合は契約継続を前提とした投資であることを知りながら一方的に契約を終わらせており、債務不履行にあたる」と判断した。一方で「阪急も組合の経営悪化を予測できた」とし、賠償額を弁護士費用に加え投資設備の価値の35%と算定した。


 というわけで5億7700万円は西宮甲子園廃止に関する裁判では過去最高の賠償額となりました(参照)。とはいえ、西宮競輪の経営悪化を阪急電鉄が予測できたという点でかなり過失相殺されているんですよね。電鉄側はこの判決に一定の評価をしているようですが、当時長らく競輪場の廃止がなかったことを考えると、厳しい算定だなあと思わないでもないです。あの頃の西宮競輪場をホームにしてましたので、心のどこかに阪急びいきがあるのかもしれないですけどね。


 今後どちらかによる控訴が行われるんでしょうか。そうなったら行く末を見守りたいと思います。ところで、競輪場廃止の前例が出来、さらに競輪経営を巡る情勢が厳しくなっている今なら、今後新たな廃止場が出て施設会社による同じような訴訟が提起された場合、過失の認定がさらにシビアになることが考えられます。そんな訴訟が提起される事態にならないことを祈るだけですけどね。