パチンコ「30兆円の闇」

パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されない

パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されない


 わたしゃパチンコは10数年前に一度やって、500円があっという間に5000円になって、これは罠だと思ってそれっきりパチンコやってません。あ、ときどきサイクリング中にトイレを借りにホールに入ることはあります。


 この本はなかなかおおっぴらには語られることのなかったパチンコの裏事情を、そういう裏方面に大変強いライターさんがおっぴろげにした本ですが、本書で語られる客をカモにするための裏技の数々を読んでいると、本当に罠だったのかもねえと思ってしまいます。新規客には遠隔操作で出してあげちゃったり出来るんですって。競輪もこういう機能があればいいのにねえ。



 しかしなんですね、警察との癒着具合を見ると経済産業省の競輪諸団体への天下りなんて可愛いもんだし、店が取り付ける裏ロムやらジェットカウンターでの玉のチョロマカシなどは競輪で「八百長!」と野次が飛ぶレースよりよっぽどインチキで、我々はパチンコに比べればとっても健全なレジャーで遊ばせてもらってるんだなあという気分にさせられます。なんでパチンコより嫌われなければいけないんだろう?広告露出=健全度だとすればこの国はどんだけ衆愚国家であることか。


 話変わって競輪衰退の原因のお約束「レジャーの多様化」ですけど、これ、地方特に田舎在住者にはよく分かっていただけると思いますけど、田舎ではレジャーなんて増えてません。逆に減ってるかも。前提から間違っています。増えているのはパチンコ・パチスロホール*1。数少ない潜在顧客をパチンコに根こそぎ持って行かれているんですよね、田舎では。


 最近はパチンコホールチェーンの倒産が相次いだり業界最大手ダイナムも不採算店を畳むなど、かの業界も苦しいようですが、警察との蜜月が続く限りパチンコ自体はなくなりはしないでしょう。しかし、1人でも多くのパチンコ客に本書を読んでいただいて、足を洗ってほしいと願わざるを得ません。ばくちが打ちたければ競輪場で待ってます。これに書いてあることくらい分かってて、騙し合いをしてるんだよと言う人はひとつこれからも頑張ってください。

 

*1:数は近年減っていますがその分大型化・ゴージャス化しています