小嶋敬二さんが水素水を飲んで頻尿気味な件

 1月20日付けの小嶋敬二選手の日記に「水素力」という水素水の話題が出ています。これ、ものすごく意外な気がしましたよ。トップクラスの競輪選手はスポーツ科学の最前線で戦っていますし、小嶋選手は専属トレーナーを何人も雇っているんでしたよね。なんでこんな典型的なニセ科学の水商売に引っ掛かってしまうのでしょう。スポーツ科学と健康科学はまた別のカテゴリなんでしょうけどね。

 なんでも

疲労のもとである乳酸を水素によって分解し 尿ともに流してくれる物だと思います、 だからこの水を飲むとトイレが近く成ってしまいますが、その時は疲れ方も普通ではないという事です。

 とか。

 前段の部分、そんなことがあるのかいなと思って「水素水」「乳酸」でググってみたら、「酸素水」のあやしげな紹介文に同じようなこと書いてありましたよ。*1酸素水でも水素水でも眉唾だと思いますけどね。仕事の関係上有機化学も少しだけかじっているんですけど、乳酸の生成過程で水素イオン出ますし。

 トイレが近くなるのは、いくら激しいトレーニングをしているとはいえ寒くて汗をかきにくい時期に水をガブガブ飲むからじゃないですか、常考

 というわけでプラセボ効果以上のものは得られないんじゃないでしょうか。でも小嶋さんってば天然だからものすごくプラセボ効果ありそう…。

 危惧するのは、小嶋選手のようなトップ選手が使用することによって、他の選手に広まってしまうことです。

 ちょっと前のスポニチ亀田記者のコラム(参照)にこんなのがありました。

 競輪開催中もさまざまな健康器具を持ってきて健康オタクの集まりのようだ。スピードスケートから転向した武田豊樹が低反発マットレスを持ち込んだ時は、たちまち多くの選手が使い始めていた。

 こういうことがニセ科学的な商品にも起こらないとは限らないわけです。野球選手や競輪選手の間でゲルマニウムのアクセサリーが流行りましたよね。あれもなんの効果もありません。

 今度は「水素水」「競輪」でググってみると、こんなんでました(参照)。

公式飲料としての経過&医院での試用
2003年:第14回選抜女子駅伝九州大会
(社)日本競輪選手権大会

 (社)日本競輪選手権大会っていうのが謎です。が、競輪界にも浸透しつつあるのでしょうか。ちなみにこのお水は活性水素水かつマイナスイオンというとほほなダブルパンチです。

 まあこの程度の商品なら、経済的にはともかく健康面では実害もないでしょうし、どうでもいいっちゃあどうでもいいんですけどね。さすがにマクロビオティックにハマる競輪選手はいないでしょうし。もしハマっちゃったら、摂取カロリーが消費カロリーに全然追いつかなくてお仕事にならないでしょうからね。

*1:あやしいサイトのページランク上げるのしゃくなのでリンクしません