花月園競輪 年度末で廃止へ 組合議会で方針示す累積赤字 53億円超に

組合議会で、組合は花月園での競輪開催について「累積赤字の一層の拡大を招くことが避けられない」と、本年度いっぱいの廃止を表明。小田原、川崎両競輪場での借り上げ開催は継続するとした。

 花月園競輪場の従業員約二百人の雇用確保については組合は「できる限り努力する」とし、競輪場跡地利用については「敷地の大部分を所有する県と、施設所有会社が主体となって検討する」との見解を示した。

 また、組合がこの日示した「見直し方針」では、法の特例制度を活用し、競輪振興法人への来年度以降五年間の交付金計約十三億円の支払いを猶予してもらうとなっている。

 また、川崎、小田原両競輪場で年一回ずつ実施する借り上げ開催のどちらかで、多額の売り上げが見込めるG3クラスレースを実施する。この構想について今後、国などと協議を進めるという。

 これらの改善策により、累積赤字が五年間で六億円減少し、累積債務計約十三億円も五年間でほぼ完済する−と組合は試算する。

 これに対し、組合議会側からは「(改善策が)他力依存ではないか」「川崎市小田原市のお墨付きを本当にもらっているのか」など、さまざまな意見や疑問が出された。

 牧島功議長(県議)は、「もう少しきちんとした見通しを聞かないと、結論を出すに至らない」として、組合に対し、次回の組合議会までに新たな報告を提出するよう求めた。

 長いですが重要なので引用しますよ。見出しでは廃止が決まったようにも読めますが、まだ検討委員会の答申(参照)を受けて議案が組合議会に出されただけのようです。そして組合の建て直し案ですが、これはなんとも都合がいいですね。2001年以前ならともかく今の特別・記念依存のシステムで借り上げ施行者が記念を開催させろというのは無理があります。小田原だって現市長は廃止をちらつかせていますしね(参照)。というわけで組合議会のほうも結論を出すには至りませんでした。これはまっとうな判断と言えるでしょう。雇用の問題なども含めて、そんなに早急に結論を出すべき問題ではありません。

 出口が見当たらないのなら開き直って今の持ち場で踏ん張ってみるというのもひとつの手でしょう。数年前には失敗に終わりましたが、全輪協が一丸となって交付金の猶予ではなくカットをもういちど要求してみる、また場間キャリーの解禁による重勝式の人気爆発に賭けてみるなど、まだ諦めるには早いですよ。