競輪場勤務の職員が車券購入、違法として市は処分検討/小田原

 市民の情報提供を受け、同競輪場が23日、男性から事情を聴いたところ、勤務中の車券購入を認め、「競輪場勤務を知る複数の友人から頼まれ、車券を数回購入した」と説明したという。車券はいずれも小田原競輪の本場開催分ではなく、場外発売のG?レース分だった。1枚100円で、購入総額は数千円という。

 まあよく聞く話ではありますね。わざわざチクる人がいるんですねえ。ところが場外発売分だったことから難儀な問題に。

 男性の身分は、自転車競技法で「当該競輪」の車券の購入・譲り受けを禁じられる立場。「当該」は本場開催のみで場外は含まれないと思い違いしたことが原因で、「認識が甘かった。軽率だった」と反省しているという。

 同競輪場は「『当該』には場外も含まれると解釈しており、男性の行為は同法に触れる行為だ」と言及。ただ「(男性は)予想ができない場外レースを依頼通りの着順で購入していることから、友人に頼まれ、軽い気持ちで買ってしまったとみられる」と話している。

 自転車競技法10条第3号に規定があります。便宜上10条全部を引用してみます。

第10条 次の各号のいずれかに該当する者は、当該各号に掲げる競輪について、車券を購入し、又は譲り受けてはならない。

(1)  競輪に関係する政府職員及び競輪施行者の職員にあつては、すべての競輪

(2)  競輪振興法人及び競技実施法人の役職員並びに競輪の選手にあつては、すべての競輪

(3)  前2号に掲げる者を除き、車券の発売等、競輪場内の整理及び警備その他競輪の事務に従う者にあつては、当該競輪

 ここでいう「当該競輪」に場外発売が含まれるのかという点についての解釈が市側と職員さんとで食い違ってしまったんですね。これ、競技法の他の条文や施行規則での「競輪」の使われ方から考えると、その施行者が開催する競輪と解釈するほうが自然です。ただし公正な競輪という法の趣旨に鑑みると市側の解釈も成り立たないわけではありません。立法当初は場外発売まで考慮に入れていなかったでしょうから、法の不備とも言えそうです。この際、このご時世ですから、職員でもなるべく車券を買うことができるように明確なかたちで法改正しちゃったらどうでしょうか。

 同法に罰則規定はない。

 これはうそです。条文があります。

第58条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。

(1)  第10条の規定に違反した者