元競輪選手の松本整氏が五輪代表監督就任

日本自転車競技連盟は12日、元競輪選手でG1を4回優勝している松本整氏が、2012年に行われるロンドン五輪自転車競技で日本代表監督に就任することを発表した。記者会見は16日に行われる。

 これはちょっとびっくりです。その理由はいくつかありますが、まず松本整さんはJCFに大きな影響力を持つ日本競輪選手会に抗議する意味合いの強い引退の仕方をしていたからです。詳しくはBod先生も編集しているwikipediaの項目を参照のこと。それに引退後はときどき競輪場のトークショーに顔を出すことはありましたが、ほとんど活動を自転車以外の指導、コーチングに振り向けていました。フィギュアスケートやスケルトンなどウィンタースポーツの五輪選手への指導が特に知られています。

 とはいえ、クラブゴングで自己の肉体とともに京都の若手を鍛えた経験や大学での研究から、ペダリング矯正ギア(公式サイト参照)を制作してみたり、昨日もペダリングの効率を測定する機器を発表していたところです(参照)。自転車の指導に対する意欲は失ってないのでしょう。

 今回のナショナルチーム監督就任は、先日発表されたナショナルチームカップ(参照)などとも合わせると、ナショナルチームの活動を競輪ファンにも理解してもらおうとの意図があるのかもしれません。しかし、自己の理論を持ち、他競技とは言え大舞台での指導経験も豊富な松本整さんの監督就任には期待せざるを得ません。オリンピックのケイリン決勝で日本勢が全盛期の松本整ばりの二段駆けを決めて金メダルを獲得する日をつい夢想してしまいます。

5/13追記

 よくよく考えますと、先月、JCFの選手強化委員長に中野浩一さんが就任しておりますから(参照)、中野さんが松本さんを招聘したという考え方もできますね。日競選・JCFの役員も松本さんが引退した当時からずいぶん若返って競輪の(元)一線級も多くなっています。そんな中、松本さんが監督に選ばれるのは自然な流れだったのかもしれませんね。