日本のトラック競技とピストレーサーの行方。

 週末に行われていました全日本自転車競技選手権大会トラックレースはこれまでのこの大会になく面白かったですね。完全にオリンピック前の本気のメンバーでの本気の戦い。そして念願の伊豆ベロドロームこけら落としですよ。

 現地の様子を交えた詳しい結果はBank of Dreamせんせがなさってますのでわたしは面白かったところや気になったところをお手軽に箇条書きにしますよ。

伊豆ベロドロームは直線が長い。

 世界から10年遅れで完成した屋内板張り250mトラックです。実測値は知りませんけど、競輪学校の250mバンクよりも直線は長いそうです。ケイリンやスプリントを観戦していても、海外の250mバンクと同様か長く感じました。4角回ってすぐゴールという感じはしませんね。ここでミッドナイト競輪なんかやっても楽しいんじゃないですか。

橋本英也くんはすごい!

 高校生ながら個人追い抜きと団体追い抜きの二冠を達成した橋本くんが在籍する岐南工業高校は濱口高彰や加藤慎平を輩出した名門ですが、本人は進学してロードも頑張りたいとか。元々トライアスロンやってたそうですしね。内田慶以来のトラック中距離の逸材と思ったんですが。世界で通用するロードの本格的スプリンターとなってくれても楽しいですけれども、無理を承知で願うならば、競輪選手をやりながらロードの日本代表に選ばれる、ロード/トラックの垣根をとっぱらってくれるようなスーパースターになってくれないかな。

新田祐大には期待してもいいかもしれない。

 1kmTTが得意で、同種目が無くなったオリンピックではどうするんだろと思われた新田祐大ケイリンとスプリントの二冠ですよ。特に予選でフライングラップの日本記録を更新した渡邉一成相手に逃げ切り2本を決めたスプリント決勝が圧巻でした。持ち前のスタミナにスプリント力をプラスして、今までの日本にはいなかったガンガン踏んでいくスプリンター誕生の予感です。後はフライングラップのタイムを縮めてほしいですね。予選落ちしたらもったいないので。
 

山原さくらと石井寛子ガールズケイリン2期生を受験している!

 最終種目の女子ケイリンの前に中野浩一さんが言ってました。これは楽しみですねー。後は前田佳代乃が来年受けてくれれば女子スプリンターの最強メンバーがガールズケイリンに集結することになりますからね。石井はかたくなに五輪志向でしたからガールズケイリンにはロンドン後の受験かと思われたのですが、うれしいですね。山原さくらさんは高知の山原利秀選手の娘さんで、春の全日本アマチュア選手権ではスプリントで前田佳代乃を破って優勝しています。



 とまあ、明るい話題に満ちた屋内250m板張りバンクですが、一方路上ではノーブレーキピストバイクの摘発が全国で本格化しています。「ピスト」でニュース検索すると毎日のように摘発例が出てきます。マスコミも警察のノーブレーキピスト摘発キャンペーンに乗っかってますね。そんなニュース記事には自転車に対する記者の無知からおかしなものも少なくなく、そういった点を指摘する記事もあります(参照)。

 うーん、ノーブレーキピストの問題は何年も前から分かっていたはずなのに(参照)、業界の無策が最悪の状況を招いてしまいました。なんとかこの状況からオリンピックとか競輪を絡めて大逆転につなげる方策はないものでしょうか。長澤まさみオダギリジョーの雑談ではどうにもならないことはとりあえずわかります。