大井家の悲願

http://www.keirin.go.jp/land/pages/news_index/news_index_20050208.html
奈良記念は地元の大井啓世が優勝。奈良競輪の歴史上、地元が記念優勝したのは初めてのこと。大井や安福洋一はこの季節になると毎年調子を上げて地元記念の「タイトル」に挑み、そして毎年跳ね返されてきた。奈良を根城とする競輪一家である大井家の今のところ最後のS級選手である大井啓世は、誰よりも地元記念のタイトルが欲しかったことだろう。


レースは稲垣が赤板過ぎから先行体勢。中段は単騎3匹がもつれる。武田の打鐘ガマシでレースのペースが一気に上がり、武田は最終ホームで大井の横まで行くが、大井が強烈なブロックで仕留める。最終バックでは小嶋も捲るが稲垣が出させない。4角で踏んだ大井のインを奈良のドン安福がこじ開け突進。しかし大井が凌いでガッツポーズ。


ネットで車券が買える世の中になっても、地元がいいレースして優勝したときの競輪場の空気感は、ギャグじゃなく生温かくて最高にいい。人がいろんな銭を背負ってしがらみの中で走る生々しさと、一瞬だけ起こる、その生々しさを忘れた祝福の温かさ。テレビで観ててもひしひしと伝わってくる。・・・高松や観音寺で児玉広志や香川雄介が番手捲って優勝してもそんな感動はないわけですが。