「この〜!!(もうがまんできない)」

この~!!(もうがまんできない) [DVD]

この~!!(もうがまんできない) [DVD]

じゃがたらのライヴや江戸アケミのインタビューを集めた映像集。冒頭の寿町フリーコンサートの映像がすごい。ドヤ街のおっちゃんと街の外から集まった若い衆や外人さんなどが輪になって、肩を組んで、汗だくになりながら、踊る踊る。大阪での学生時代、18きっぷで寿町に乗り込もうと計画していたのに、結局急なバイトで行けなかったことを思い出した。近年は、じゃがたら無きあとの常連である渋さ知らズやソウルフラワーモノノケサミットを呼ぶと、街の外からの人間が集まりすぎてそもそものコンサートの趣旨が没却されてしまうので、呼ばないことにしているとか。


江戸アケミは「百姓のカン」でもって、日本・・・特に都市の幻想や虚構に「ナンノコッチャイ!」「ナンボのもんじゃい!」と叫び続けた。ちょうどバブルの真っ最中のことだ。東京ではウォーターフロントがブームだったそうでございまして、江戸は「あのビル作ったのはここ(寿町)にいるおっちゃん達なんだよ」と言っていた。
百姓歴60年のうちのじいさんもよく言う。
世界遺産だので、がいな*1お城やお寺さんがでとるけどの。あれ実際にこっしゃえた*2んは昔の百姓やが」


人間の汗に幻想や虚構の入り込む余地は少ない。そんなわけで私は自転車に乗り、畑を耕し、そして競輪を打つ。寿町や釜ヶ崎のノミ屋に集まるおっちゃん達に一番人気のある競輪選手は誰なんだろう?



余談
香川県で流れるローカルCMで、じゃがたらの「もうがまんできない」(ただし大槻ケンヂによるカバーバージョンのイントロだけ)が使われているものがあります。墓石屋のCMなだけに、観るたびに複雑な気分になります。

*1:讃岐弁で「強い」とか「でかい」とかの意。関西弁の「ごっつい」をイメージしてくれれば分かりやすい

*2:こしらえたの意