神狩り2 リッパー
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/03/19
- メディア: 単行本
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もう今は跡形もないのですが、昔(5年くらい前でしょうか)、参競新聞というウェブサイトがあったのをご存知の方はいらっしゃるでしょうか?知人が気まぐれに始めて、気まぐれに確か半年くらいで終了した、競輪、競馬、競艇を扱うサイトだったのですが、わたしはそこで競輪とコラム欄を担当していました。
そのとき書いたコラムのひとつに「神に抗う競輪客」というタイトルのものがあります。締め切りのベルが鳴れば公営博打の客は車券を神に委ねるしかないはずなのに、その神に抵抗する競輪客がいるという内容です。かつての甲子園ホームスタンド最前列で、買ってる選手によく聞こえるようにわざとゆっくりと繰り返し侮蔑の言葉を投げかけて、選手の発奮を促すオヤジ。後方からの仕掛けもないのに打鐘4角あたりで「来たああああああああああ」と大声で叫び、先行選手を早駆けさせて差し目ズブズブを狙うジジイ。競輪場にはそういう「反逆者」がいました。
山田正紀は、神に代表されるような超越者との戦いを描く小説をいくつも発表しています。その代表作はデビュー作でもある『神狩り』ですが、なんと30年ぶりにその続編が3月に出ていたのですね。15年来の山田ファンなのに(とは言ってもほとんどSF作しか読んでないのですが)、最近知りました。やっぱり地方紙取ってると出版情報に疎くなるなあ。一昨日から読み始めて先ほど読了。スケールのでかさもガジェットの多様さも過剰なほどなので、1600枚書いたのを1100枚に無理矢理縮めたのが説明不足に繋がっている点は否めないのですが、それを割り引いても面白かった。古本屋で山田正紀の旧作を漁りまくっていた高校時代の感触を久々に味わいました。