突っ張る誘導員


 モニタのバックライト切れで使えなくなったVAIOの代わりに、6年モノのiMacDVを引っぱり出してきました。これもマウスの接触不良で使えなかったのですが、マウスが一瞬反応した隙に、VAIOに繋いでいたマウスのドライバをDL→インストールして復活。更新再開します。


 一宮記念も終わったのにその前の観音寺の話題を引っ張るのもあれですが、先日師匠のブログで、観音寺初日9Rの誘導員を使った佐々木の突っ張り先行が話題になっていました。こういう、前を取った地元ラインを誘導員がホーム(400バンクの場合)辺りまで引っ張って地元ラインに有利なレースを作ることは競輪ではたまにあります。先月の京王閣記念の二日目優秀戦でも波潟がやりました。あと、思い出せる最近の例では、記念では今年の高知記念二次予選、昨年の別府記念決勝戦があります。


 誘導員も人間ですから地元の仲間を手助けしたいというのは分かります。いかにも良くも悪くも「人が走る競技」競輪らしい話です。しかしやはり問題はあります。誘導規則に反するのではないかという問題はとりあえずおいときますと、一番の問題点は、客を無視している点にあろうかと思います。よく、地元を勝たせる為の二段駆けレースの後などに「客を無視したレースしくさって」などと怒る方がいらしゃいますが、私見ではこれはまだ許せます。二段駆けはわずかな例外を除いて推理によって察知できるからです。無視されてもこちらから捕まえればよいのです。しかし、誘導の引っ張りは予測不可能です。地元に先手を取らせたいときという出現条件は共通していますが、他に有効な出現条件を設定することができないのです。ここまでくると、真に客を無視していると言えましょう。


 予測を試みたことはあります。わたしの地元観音寺はド田舎競輪ということもあって、比較的誘導引っ張りが出易いような気がしています。先日記念最終日を打ちに行った際、負け戦7Rは以下のような構成でした。


・児玉慎一郎率いる地元三車、野田源一郎+三匹、前田新+一匹の変則三分戦。
・地元児玉と香川が1番車、2番車に並べられている。


 これを見てわたしは、地元に前を取らせて誘導が引っ張る可能性有りと見て、そうでなくても児玉の先行は十分ありますから、地元ズブズブに厚くいきました。しかし誘導は普段通りのペースに終止し、野田の先行を児玉が捲れない、ありがちな結果に終わりました。やはり予測は非常に困難です。


 もう一点、問題があるとすれば、引っ張る誘導と地元ラインとの間に話が出来ているのではないかという疑念を招くことでしょう。実際はどうか分かりませんが。これについては、昨年の別府記念決勝戦がヒントになるかも知れません。このレースで当初前受けしていたのは荒井+地元大分勢のラインでしたが、赤板で単騎の紫原が上昇し誘導の後ろに入ります。そこから誘導がどんどんピッチを上げ、紫原が腹括ってホーム先行する意外な流れになりました。誘導は自分の後位が荒井ラインでなくなっていることに気がつかないままペースを上げてしまったのでしょう。もし誘導と荒井との間で話が出来ていたのなら赤板で荒井は引かなかったはずですから、このレースの場合は誘導の一方的なアシストだったということになると思われます。しかしどちらにしても、博打のコマ以外の者がここまでレースに介入してよいのかという疑問は残ります。


 そこでふた通りの改善策が考えられます。前者の問題点を克服するには、誘導がペースを上げるケースを客にも予測できるように、分かりやすくするということが必要となります。これで納得する人は少ないかもしれませんが、予想のファクターになれば、少なくともわたしは納得します。具体的には、地元の決勝戦に限るとか、前取った地元ラインに外競りを挑んでいる敵がいるとか、やたら誘導員を張り切る選手がはっきりしている、とかです。


 もうひとつの改善策は、抜本的に、選手による誘導を廃止することです。オリンピックや世界戦のようにデルニーで誘導するわけです。誘導は競技会の職員が行うことになるでしょう。経費節減にも役立ちます。少し味気ない感じもしますので、すぴRITSのおねえさんたちでもいいかもしれません。あるいは銭形くんやガッツ玉ちゃんに誘導させるとか。着ぐるみだけに風圧がかなり避けれそうで、スタート争いが過熱するかもしれません。