小倉競輪:民間委託先決定 受託料の安さ決め手に、人員削減で労使紛糾も 

 小倉競輪の民間委託先に決まった、九州自転車競技会と警備会社「コアズ」の共同事業体。有識者5人による選定委員会(委員長=斎籐貞之・北九州市立大経済学部長)から、他の2事業者を46〜26ポイント上回る83・2点(100点満点)の評価を受けた。


 レースの表彰式などにファンが参加できる運営▽アリーナなどを活用した広告・イベント展開▽英語・韓国語対応のホームページ新設−−などソフト施策もさることながら、受託料の安さが決め手となった。


 普段の本場開催の発売・払い戻し業務は、メーンとなるメディアドーム4階で従来の7カ所を4カ所にするなどし、トータルでも12カ所を8カ所に減らす。年に1度の「競輪祭」の時だけ、全エリアに拡大し、発売・払い戻し機も持ち込む形にする。


 こうした結果、臨時職員が担ってきた業務を1日当たり309人分から53人分に減らし、従来から民間委託してきた清掃・警備の業務と合わせても463人分から198人分に削減できる見通し。市は、昨年度5億6000万円の赤字が、3億3000万円の黒字になると見込んでいる。


 一方、臨時職員で作る市職労競輪支部は、「53人」を衝撃を持って受け止めている。「市は今後の雇用に関し、『最大限の努力』を約束したが、補償金支給も含め、中身を更に問いたい」としており、紛糾しそうな情勢。


 小倉競輪の民間委託に関する過去の記事はこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/zevon/20050531/1117550583
http://d.hatena.ne.jp/zevon/20051121/1132582643
http://d.hatena.ne.jp/zevon/20051209/1134134219


 やはりというか、委託先は自転車競技会がらみとなりました。花月園と同じパターンです。自転車競技会も警備会社も、もともと競輪場でお仕事してますからノウハウはあるんでしょうけどね。自転車競技会は今後統合される方向だそうですが、施行者の自転車競技会への業務委託が進めば、統合後の組織はかなり大きくなるんじゃないですかね。あるいは実態は自転車競技会が警備会社に丸投げするってことだったりして(憶測ですよ)。


 ただ、5億6000万の赤字が3億3000万の黒字というふうにバラ色の未来が描かれていますが、それは小倉が今まで合理化をたいして進めていなかったからこういう数字になっただけであって、その他の自前で合理化を進めている施行者は民間委託するからといってここまでドラスティックに経営が改善するとは限らないと思われます。そもそも4日制特別で一番売り上げが多い競輪祭を毎年開催できるのにここまで赤字が出るのがおかしい。


 しかしあれですな、4月からの事業委託なのにこの時期まで委託先の選定がずれこんだのは、競輪祭開催中に従業員ストが起るのを恐れたからなんでしょうね。決まったの、競輪祭終了の翌日だし。