今週読んだ本

 

大本営発表は生きている (光文社新書)

大本営発表は生きている (光文社新書)


 最近、枕元の積ん読コーナーの減りが鈍いです。


 これは大本営発表を分析した本です。大平洋戦の戦況に併せてどのように大本営発表が変わっていったかに主眼を置いています。勝ってるうちは内容もそれなりで陸軍と海軍の面子の張り合いがほほえましいくらいなのですが、負けてくるとだんだん主観と願望で構成された香ばしいものになってきます。


 大本営発表とマスコミの関係の部分では著者は軍部の圧力が全てみたいに書いていますが、景気のいいこと書かかないと新聞が売れないという空気も新聞社内にあったんじゃないかなあ。あとがきで著者は自衛隊イラク駐留部隊の情報が自衛隊そのものからしか得られない現状を引き合いに出して、大本営発表の教訓を学ぶ意義を唱えています。しかし、当時よりもマスコミの影響力が大きくなった現代では、似たような状況は自衛隊に限らずその辺にいっぱい転がってますよね。特捜部の情報リークとライブドア報道が典型ですが。


S級2班