25%を埋めるもの


 昨日少し触れた森巣博について。森巣のバクチ本が面白いのはそれが(たぶん)体験的だからです。それに対して評論家っぽい文章は、まあ面白いのですがバクチ文章ほどではない。この人たぶんものすごい読書家で博識ではあるんだけど、文章としてアウトプットしたときに知識や価値観の借り物感が色濃く残ってしまってるんですよね。


 それはともかくとして、面白いほうのバクチ本では主にカジノのことが描かれるわけですが、そういう文章では、たいてい25%控除の公営博打は搾取的だとダメ出しされます。森巣が主戦場とするカジノ、特にバカラなんかは控除率が1%前後ですから、公営博打はダメ出しされても仕方ありません。そこで思索的競輪客のわたくしなどは、それでも競輪を打つ理由をあれこれ考えます。

  • 売り上げが公共のためにお役に立っている(実はあまり好きな理屈ではないのですが)。
  • 選手の人間関係や性格などを予想資料に打つワンアンドオンリーの博打である。
  • 競輪場のあのまったりしてそれでいて殺伐としたなんとも言えない空気感が好き


 などなどいろいろと考え巡らせるのですが、最後は結局、「宝くじやサッカーくじ(いずれも約50%控除)打つよりましやん」という卑小な優越感で溜飲を下げるのでした。


 でもやっぱり控除率は下げてもらいたいなあ。それが一番のファンサービスだと思うんですけど。

 

「ゴジラ」作曲、東京音大元学長の伊福部昭さん死去


 御冥福をお祈り申し上げます。先日現代音楽の催しで「アイヌ叙事詩に依る対話体牧歌」を聴いたのが、先生の楽曲を生で聴いた最初で最後でした。ゴジラはもちろん勝新座頭市の音楽も印象的でした。競輪場の選手入場曲を作ってもらいたかったなあ。