世界に問う



 最近ぐにゃぐにゃと考えることが多いのですが、それらのほとんどはとりあえず今考えても仕方のないことで、しかしそうは思っていてもなかなか止まらないので困ります。


 そういうときはドカーンとくる音楽を浴びるに限ります。ということで昨日届いたエンケンさんのDVDを観ています。遠藤賢司日本武道館で行ったひとりライヴのドキュメントです。スタッフはいますが客はゼロ。四畳半と草むらのセット、そして山と積まれたアンプをバックに独り仁王立ち、時には爆音フィードバック、時には弱音系音響派もびっくりな繊細なアコギを爪弾き、エンケン世界としかいいようのない振れ幅で観るものを圧倒させます。あー疲れた。けど気持ちいい。


 エンケンさんは世の中の自分が尊敬するものを全てライバルとし、常に対決しています。新作アルバム(asin:B000E6G30G)でも、曲ごとに、誰と対決しているかを自筆の解説で説明しています。パクリや参照ではなく、相手のフィールドに出向いて対決するのです。新作の2曲目はちょっと聴くとニール・ヤングみたいです。わたしゃひねくれ者なので、なんとか風と感じると割とすぐ白けてしまうほうなのですが、エンケンさんの場合は不思議とそんなことがないんですね。一瞬ニール・ヤングの名前が浮かぶだけで、すぐに曲に引き戻されてしまいます。これはひとえにエンケンさんがニール・ヤングと対決しているからなのでしょう。


 このようなエンケンさんの音楽は世界に問われるべきだと考えます。言葉は通じなくても、この映画ならば字幕をつけることによって比較的ストレートにエンケン世界を伝達できると思うのですが。どこか映画祭に出してないのかなあ、もったいない。


 さて、こんなエンケン世界の洗礼を浴びたわたしも世界と対決しなければなりません。とりあえず競輪で世界と対決してみました。↓

http://www.youtube.com/watch?v=5ZLD-aNq510


 ほんとは西王座戦のほうがよかったんですけどね。