五番目の公営賭博は生まれるか

 
 教育基本法の改定に隠れて共謀罪の制定が共謀されておりますが、さらにそれに隠れてカジノ合法化の動きも本格化しています。新聞記事としてはこちらがよくまとまっています。↓

カジノ主催は自治体・自民、合法化へ論点整理

自民党の「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」(岩屋毅委員長)は15日、カジノ(賭博場)合法化に向けた「論点整理」をまとめた。カジノの(1) 許諾や監視、規制などは国の専権事項(2)主催は地方自治体――とすることを検討。施設の設置、運営については、自治体が公募で選定した民間事業者に委託る方向を打ち出した。


 その委員会の報告書はこちら↓

カジノ・エンターテイメント導入へ「中間とりまとめ」 観光特別委の検討小委で


 新たに法律を作って国が主管し、地方自治体が開帳、運営は民間というのは昨今の公営賭博のあり方と同じですね。アメリカなんかだとカジノはほぼ民営なんですけど。沖縄や熱海、秋田などではカジノ待望論が盛り上がってますよね。競輪や競艇の扱いとえらい違いです。儲からないかもしれないとか考えないんでしょうか。


 カジノ論議石原慎太郎がお台場カジノをぶち上げた99年くらいから始まったように記憶してますけど*1、法制化の動きはほとんどありませんでした。 個人的には、カジノができて一番困るのはパチンコ利権に巣食う警察なので警察に見返りを与えない限りは日本にカジノなんてできっこないと思っていたのですが、自民党が重い腰を上げたところを見ると、その辺の取引きができたということなんでしょうか。パチンコ健全化に関わる風営法改正もこれとなにか関係あるのかな。よく分かりません。


 カジノの設置はあくまで「国際観光振興」が目的だそうです。「ビジットジャパンキャンペーン」というのもありましたね。シンガポールでカジノが合法化され、タイでも同様の動きがあるのに刺激されてカジノ合法化の動きが本格化したのかもしれませんね。「中間とりまとめ」にも地元民の入場を規制する案を掲げて、あくまで観光客向けであることをアピールしています。どうせ儲からなかったら地元民にも開放するんでしょうけど。


 合法化の動きはまだ始まったばかりで大枠しか決まってない状況ですが、競輪をはじめとする公営賭博の今後にも大きく関わってきそうなお話なので注目していきたいと思っています。主に気になるのは、所轄の官庁がどこになるのかと運営を委託される業者はどういうのが想定されているかです。前者については、観光振興ならば国土交通省なんでしょうか。今頃取り合いしてるかもしれませんけど。後者についてはアメリ陰謀論的にアメリカの巨大カジノ産業がどーんと乗り込んでくるのでしょうか。あるいはこういう話もあるみたいですしパチンコ業界が入るのでしょうか。パチンコ業界が運営するのなら警察も納得しそうです。


 しかし「国際観光振興」を博打で図るならば、日本オリジナルの素晴らしい博打があると思うんですけどねえ。youtubeの競輪動画はmyspaceからリンクを張ってくれていて米国人に好評のようですし*2、自転車好きの欧州人も競輪を気に入ってくれるはず。なにより欧米の観光客が日本に求めるのはエキゾチズムだとか、ジャパンクールという言葉に代表されるオリジナル文化だと思うのですが。また、韓国人観光客には韓国競輪より高い払戻率と高配当をアピールできます。カジノでは差別化は図れないし、土地と人件費の高い日本では国際競争力に疑問符が付きます。ならばすでにあるオリジナル博打で勝負すればいいと思うんですけど。あるいはカジノ施設に競輪場を組み込むとか。競輪をケイリンに合わせるのもいいですが、競輪自体の国際アピールも日自振にお願いしたいです。

*1:というか後楽園競輪は?

*2:中でひどいコメントつけられてるかもしれませんけど