KEIRIN化に反対する理由その2.5〜ルールと事故


KEIRIN化に反対する理由その1〜スピード化について
KEIRIN化に反対する理由その2〜タテだけのKEIRIN


 日自振が、今目論んでいるKEIRIN化の大義名分として落車事故の防止を挙げているかは定かではありません。内部資料などではそういう記述もあるのかもしれませんが、少なくとも表立っては出てきていません。ただ、金網の外側でKEIRIN化に賛成する人の中にはKEIRIN化で落車事故を減少させられると考えている人が多く居る…というよりもそういう人たちの間では落車防止がKEIRIN化の最大の大義名分となっている感じすらします。

 
 ところで、落車事故って増えているんでしょうか?これ、ちゃんとした統計資料*1を見てみたいです。KEIRINは滅多に観る機会がないですから落車にもなかなか出くわしませんが、一日100レース以上行われることもざらにある競輪ではそりゃ大量落車もたまにはあります。そういった事象をうまくまとめて提示すれば、事故が頻発しているように読み手に思わせることも可能です。*2だからこそちゃんとした統計資料が欲しい。


 もし増えているとしても、ルールが厳格化している中で落車が増えているとすれば、さらなるルール変更よりも先に検討する材料があるはずです。


 以前、元選手の方が、落車をしないための技術の伝承が途絶えているとおっしゃっていました。こういうのは学校で教えるものではなくて先輩選手から後輩に伝承されるものだそうなのですが、タテの繋がりが薄くなった影響がこんなところにもでてきているのかもしれません。そういう流れはたいてい元にもどることはないでしょうから、学校が代わりに教えるとかできないもんでしょうか。あるいは、何年か前から競輪学校の教育期間が短くなりましたが、その影響は?いわゆる児玉フレームは?長時間スロットを打つことが身体のバランスを悪くしているということはないのか?


 もちろん落車は減って欲しいです。しかしルールを変えることは最後の手段です。得られるものがあれば失われるものも必ずありますが、ルールの変更はその触れ幅が大きいため、無用の混乱を招く恐れがあります。混乱するのは誰か?客、特にこのクソ暑い中ヒラ開催を現場で買い支えてくれているじいさんたちです。


 かつて今よりルールがかなり緩かった頃、ヨコの動きを制限したら落車事故が目に見えて減ったそうです。*3しかし、現在の落車問題はルールだけの問題ではないような気がします。この辺の理由をどこかのブログのように細木和子ばりにズバっと断言できたら気持ちいいんでしょうけど、わたしにはそんな知見も度胸もありません。ただ、以前元選手の方がおっしゃっていた「競輪の醍醐味」と「生活」が両立できれば選手も客もハッピーなわけで、そういう観点からは、KEIRIN化はベターな方策ではないと書き記すにとどめておきます。

*1:世の中にはちゃんとしていない統計資料がわりとあります

*2:似たような例はマスコミではいくらでもありますね

*3:競輪○十年史で読みました