きみは誤解している(佐藤正午)


 佐藤正午の短編集。主人公は銀行員、すし屋の若大将、エッセイスト、女子高生、引きこもりなどバラバラですが、みーんな競輪にどっぷりと漬かっていたり過去に漬かっていた人物ばかり。しかもやってる博打は競輪一本という因果者ぞろいです。


 以前この著者の競輪エッセイ集(→)を読んで、感傷が勝ちすぎている上に競輪客にしか分からないレースの機微の描写が多くて一般読者は置いてきぼりだろうなあという感想を抱いていたのですが、こういうフィクションだとクサいセリフなどもすんなりと読めてしまうものですね。しかも巻末にはご丁寧にも著者による競輪用語解説付き。もともとはこの本、岩波書店から出ていたのでした。Side B


 文庫版もすでに本屋であんまりみかけないですが、競輪客も楽しめ、非競輪客にも薦められる競輪小説集です。こんなん作ってみましたのでこちらもどうぞ↓
http://astore.amazon.co.jp/doingit-22


 なんでこんな時間に読書エントリを書いているかというと、昨日は夕飯も食わずに寝てしまい、さらにはこの本を今日までに図書館に返さないといけないからでした。