観音寺競輪廃止、市が正式発表/場外車券場は存続

 昨日速報記事を紹介しました観音寺競輪の専用場外化ですが、詳報が続々とでていますので、最も詳細な四国新聞の記事を中心に確認していきましょう。

 競輪振興法人JKAへの支払いを延納している9億4700万円は、競輪場の施設の撤去など事業廃止に必要な費用と相殺される。

 延納金の扱いがどうなるか気になっていたのですが、このような処理がなされるとは思いませんでした。廃止したい場をスムーズに廃止させる方策というのは経済産業省の競輪事業のあり方検討小委員会でも議論されていましたが、これでは観音寺方式を採用した場は、事実上5年間だけ延命するよということになってしまいませんか。となると今年度より同方式を採用している小松島も、延納金を払える目処がつくような大幅な経営改善が見られない限り数年後には…。

競輪場の跡地利用では、バンクを一般市民への開放や競輪の練習用に当面活用することを検討する。

 これは嬉しいですね。ただ、海際の地盤の弱い砂地に立地している観音寺バンクは数年に一度改修しないとどんどん劣化していってしまいます。こういった事情も廃止の原因だったのです。できることなら後述する岸和田市への施設利用料から改修費を捻出して、なるべく長くバンクを維持してもらえればと思います。

岸和田市の場外車券売り場は、競輪場の東スタンド(香川県観音寺市琴浪町)、国道前売サービスセンター(同市柞田町)を利用。岸和田市が委託する業者が実際の運営を行う。

東スタンドというのは1センターに建っている比較的新しいスタンドです(参照)。一階に売店とテレビモニターがあり、二階から上は特観として使われています。確かにサテライトとして利用するのにはよさそうです。といいますか、メインスタンド及びそれに付随する第一投票所は一目で見て耐震補強が必要な施設ですから、東スタンドしか使えなかったということかもしれません。岸和田市が委託する業者というのは昨日も書きましたが日本トーターでしょうね。

 観音寺市には、売り上げの4%程度が施設使用料として支払われる。年間1億円程度の収入を見込んでおり、市はこれを施設の撤去費用に充てる。101人の従事員は、できる限り雇用を継続するよう岸和田市に要望している。

 観音寺競輪の臨時場外発売所としての売上げは22年度で36億8千万あったそうです(参照)。300日発売したとして一日1200万円の売上げですから本場としてはともかくサテライトとしては立派なもんですよね。それゆえに岸和田市が目をつけたのでしょう。

 事業廃止後、観音寺市は運営中の場外車券売り場を継続できなくなる。岸和田市は、観音寺市兵庫県に開設した場外車券売り場を昨年度に引き継いだ実績があり、この経緯を踏まえ、観音寺市岸和田市に協力を要請していた。岸和田市の場外車券売り場は、最終的な国との協議を経て正式決定する。 

 この記事には観音寺市岸和田市に協力要請したとありますが、読売の記事では昨年岸和田から打診があったとあります(参照)。読売の記事がサテライト阪神の管理施行変更の件と混同しているような気もしますがどっちなんでしょうか。ともかく、今後廃止場が増えていくと、有力競輪施行者がそれを糾合して延命を図るという流れになるのでしょうか。車券販売施設が残るのはいいことなのでしょうが、百万が一に競輪人気が復活したときに備えて出来る限り競輪場機能を残すようにお願いしたいものです。また、場外施設としての使用に関わる契約も将来の復活を可能にするようにして欲しい。観音寺がそのさきがけになることを期待しています。