「競輪」廃止を検討 広島市の事務・事業、見直し対象に60件

 4月に就任した松井一実市長は、外部の有識者による広島市事業仕分け「事務事業見直し等検討委員会」を廃止。庁内に自らが主導する検討会議を8月に設置し、全ての事務・事業を効率性などの観点から見直すとした。

 競輪事業は、市が戦後復興期の1952年度に始め、これまで344億円を一般会計に繰り入れている。だが、レジャーの多様化などで売り上げが伸び悩み、この10年間で一般会計へ繰り入れができたのは2008年度の2千万円だけ。10年度は5年ぶりの単年度赤字となった。

 広島競輪場(南区)の施設も老朽化しており、近い将来に大規模改修を迫られるため、市は早期に事業継続の是非を判断することを決めた。12年度末までに、事業の採算性や今後の展望が見込めるかどうか▽廃止した場合の関係者の雇用―などを検討し、結論を出す予定でいる。

 昨年行われた広島市の「事業仕分け」では、広島競輪場は「実施(民間企業等へ委託)」と前向きな評価をされていました。が、昨年度の赤字(参照)と、市長の交代という情勢の変化によって、一転ひっくり返されかねない状況のようです。

 が、昨年の赤字は、先ほどリンクを貼りました赤字を伝える記事に詳述しましたように仕方ない面もあります。ただ、大規模改修の必要というのはネックですよね。観音寺や、さしあたって廃止を免れそうな向日町も同じような構造を抱えていました。

 結論が出るまでにはまだ1年以上ありますから、まずは今年度の黒字を実現することが大事ですね。向日町のような、現場のみなさんの踏ん張りを期待しています。