競輪選手が公道で事故=施設使えず練習中追突−大阪府警


 一番下に長い追記あり

堺市内の府道で競輪の練習中、車間距離を空けずに追突事故を起こしたとして、大阪府警泉北署は15日、道交法違反(車間距離の不保持)の疑いで和泉市の競輪選手(38)を、先導した乗用車に乗っていた河内長野市の別の選手(36)を業務上過失傷害の疑いでそれぞれ書類送検した。

 要するに、車誘導中、先導車に選手が追突して怪我したということですね。日常的に全国で行われる練習方法ですのでこういう事故はこれが初めてというわけではないと思うのですが、検挙されたというのは今まで聞いたことがありません。怪我がひどかったのでしょうか。あるいは…。


 近年、自転車の関わる事故がクローズアップされ(事故数が増加しているのかは知りません)、取締りが厳しくなってきていますし、また、先月には競輪選手を多く輩出する京葉工業高校の自転車部員2名が街道練習中に駐車車両に追突して死亡するという痛ましい事故も起きています(参照)。ひょっとしたらこの事故がきっかけとなって、警察が公道での危険な練習を摘発する方針を採りはじめたのかもしれません。そう考えると、この件をマスコミに流したのは見せしめの意味もあるのでしょうか。


 競輪選手もバンクでの練習では培えない部分もありますし、ロードの選手は公道の練習が当たり前です。もちろん公道での練習には危険が付きまといますが、過度の取り締まりによって練習環境自体が奪われることがあってはならないと考えます。早急に妥協点を見出して、公道での練習への支障を最小限に食い止めて欲しいものです。


 あと、記事の事件の話に戻りますけど、もし先導車を運転していた選手の業務上過失傷害が起訴されて裁判となった場合、合意の上での練習行為だったという点で、被告人にも争う余地があると思われます。公道での車誘導は全国の競輪選手にとって大事なスピード練習ですので、もし裁判になるようなら選手会は全面的にバックアップして争うべきでしょう。

追記

 コメント欄でhi-cさんに教えてもらった読売の記事が詳しい事故の様子を伝えていますし、警察の思惑まで書いてくれていました。
公道で練習中の競輪選手、車に追突し書類送検…大阪・堺

調べでは、選手は4月17日午前11時35分ごろ、堺市南区三原台の府道で、練習仲間の同府河内長野市の競輪選手(36)が運転する先導車との車間距離を1・8メートルしか取らず時速40キロで走行中、信号無視をして交差点に進入した和泉市内の無職女性(72)の乗用車を避けようと急ブレーキをかけた先導車に追突した疑い。自転車の選手は転倒し、右ひじに2週間のけがを負った。


 先導車の選手と無職女性は業務上過失致傷容疑で書類送検された。

 
 信号無視車を避けたことが事故原因ではないですか。しかも先導車は時速40kmしか出してません。渋滞中など、時速40kmくらいで走ってる車に勝手にマークして巡航するのはわたしもよくやりますし、ローディの皆さんは結構経験あるのでは?先導車の選手はもし裁判になればますます争って頂きたい。

自転車の運転者が同容疑で書類送検されるのは異例。府警は「公道で練習する危険性に警鐘を鳴らしたい」としている。

 
 やはりみせしめだったのですね。普通は起訴猶予ないし不起訴になってもおかしくない事例ですし、ニュースにしたことでみせしめ終了となるのでしょうか。

選手は「時速90キロで走ることもあった。交通ルールの違反はわかっていたが、ほかの練習法が見つからなかった」と供述しているという。
日本競輪選手会(東京)は「日ごろから公道での練習では注意を払うように呼びかけている」としているが、禁止してはいない。

 日経関西版の記事(参照)にも供述が

2人は「違法と知っていたが強くなるためにやった」と話しているという。


 ああもう、みせしめもええとこですね。これで全国的に車誘導はできなくなってしまうのでしょうか。さらに集団走行練習すら検挙されかねないですしねえ。あと、競輪のイメージもさらに悪くなっちゃいましたよねえ。


 こうなったら競輪業界は競輪選手だけではない日本の自転車競技者の練習環境を守るために、警察OBを積極的に雇うとか、各県の選手会都道府県警に付け届けを欠かさないとか、警察とみっちり癒着しましょう!。パチとか違法風俗みたいに。ああ、そんなことがばれたらまた競輪のイメージが…。とほほ。あるいは、給料もらってる自覚があるならば経済産業省車両課は自ら動いて警察と折衝していただきたい。