普通入場料、4月から無料 松阪競輪

 これまで入場料50円を集めることで年間約250万円の収入があった。だが、無料化によって、6台ある入場発券機のメンテナンス代(年間10万円)や入場券の紙代(同3万円)、機械を更新する際の費用を省けるほか、従業員を3人減らせるメリットがあるという。

 2007年の自転車競技法改正で入場料の徴収義務が廃止されましたけれども、実際に入場料を無料とした競輪場ってどのくらいあるのでしょうか。競輪場一覧のページ(参照)でざっと調べてみましたところ、北から、函館、前橋、奈良、玉野が無料のようです。あと、今まであんまり気にしたことなかったんですけど、東日本では入場料100円が主流、西日本では50円が主流なんですね。

 そしてこの記事です。はっきりそう書いているわけではありませんが、入場料収入よりそれを徴収するためのコストが上回っていた可能性があります。すなわち入場料を撤廃したほうが収益向上するかもしれないケースです。そこまでいかなくても入場料にまつわる収益が年間数十万円程度にとどまるならこれはもう無料にしたほうがよいでしょう。

 入場料も入場人員も入場料徴収にまつわるコスト(ゲートの形式、有人かどうかなど)もバラバラですので一概には言えませんが、各競輪場はその辺り柔軟に考えて欲しいものです。

2/17追記

入場券収入は1年で230万円ほど。他の競輪場でも無料化直後は収入が減少したが、後に入場者数増加につながったという。松阪競輪では、老朽化した券売機の更新費1000万円も浮くと見込む。
松阪競輪の入場料が無料に 新たな顧客開拓へ、4月から(中日新聞)

 こりゃもう入場無料にしたほうが断然得策なケースですね。

自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案が国会に提出されています。

 経済産業省からのプレスリリース。
自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案について 


 今回の改革につきましては何度も採りあげてきましたけれども、法律案が明らかになるまでの資料などはこちらにまとめてある通りです(参照)。

 今までの情報に加えて、法律案が明らかになったことで明瞭になった点が何点かあります。

 まずは今国会で成立したとして、施行日がいつになるかですが、平成24年4月1日、すなわち来年度よりとなっています。ただし、赤字施行者が1号・2号交付金を実質的に負担しない制度のみ平成25年度からとなります。これは赤字年度の翌年度に請求する制度となっていますから改革を一体としてスタートさせるため、また性質上、還付金制度と重複が難しいためにそのようにしたのでしょう。

 次に、交付金率の引き下げが言われていましたが、具体的な数字がでました。今年度までは還付金制度を適用して実質2.1%だったのですが、これが1.9%となります。一昔前までは3.3%でしたから隔世の感がありますね。単純計算して年間売上100億円の競輪場があるなら2000万円の負担減になります。

 そして、以前の記事でも懸念を表明しておりましたけれども、開催日数開催回数の規制撤廃に関わる改革が具体的にどのようになるかです。これはプレスリリースにあります新旧条文対照表の7条を見ていただきたい。現行法では経済産業省令(自転車競技法施行規則)で定める範囲を「逸脱して」競輪を開催することができないとありました。改正案では「逸脱して」が「超えて」と改められています。ということは省令で開催日数等の上限を定めて、それ以下の開催を許可するというふうに読めます。現行の自転車競技法施行規則では開催日数の上限を定めるとともに下限を経済産業大臣の告示に委任しています(参照規則16条)。この告示が廃されるのでしょう。改正法でも現行7条2項の経済産業大臣の指示を削除していますからそれと整合的です。

 上限だけ定めても、このご時勢ですから開催をやりたくないところはほどほどしかやりたくないでしょうし、混乱の懸念は残ります。この辺りの運用がどうなるかが、払戻し率の変更とともに依然として注目すべき点でしょう。

 

県営競輪場:来年度の開催決定 13年度以降は検討 /奈良

県営競輪場は、9〜10年度に2年連続で赤字に転落。累積赤字が約1億3400万円に上っていた。このため、有識者でつくる経営検討委員会や県庁内で存廃を含めて経営改善策を検討していた。県は、来年度について、記念競輪の開催日が決まっていることや従業員の雇用問題があることなどから開催を決定。来年度の特別会計に必要経費を盛り込む方針を決めた。

 県知事が「将来の希望有無で判断」としていた(参照)奈良県営競輪ですが、とりあえず来年度は開催されるようです。というかもう1月ですけどほんとうに今まで決まってなかったとしたら、それはかなり存続に向けての状況が厳しいということを意味するのでしょうか。単に事務手続き上の関係で今決定したということで、内々では以前から決まっていた可能性もありますけど、引き続き注視していきたいと思います。

四日市競輪:来年度も継続を 検証委、市長に報告書

報告書などによると、昨年3月の東日本大震災の影響で、普通競輪の売上額は、一時落ち込んだものの、4〜10月は前年同期比並みだった。さらに、競輪振興法人・JKAの交付金還付制度の臨時歳入があることや、臨時場外売り場が増えたことなどから、事業収支は1億6000万円の黒字が見込まれ、一般会計への1億円の繰り出しを予定している。12年度は、特別競輪のサマーナイトフェスティバルの開催などで1億2000万円の黒字を見込んでいる。

 ナイターの成功で07年度に黒字転換、西日本でも有数の優等生になった四日市ですが、やっぱり黒字幅は年々減ってきていますね。ピークは08年度で6億の黒字でした(参照)。四日市はナイター競輪における最強のネット投票環境を用意していましたが、KEIRIN.JP Streamへの一本化でアドバンテージがなくなったのもひょっとしたら影響しているのかもしれません。

 ところで、近頃発表されました2011年の競輪選手賞金取得状況によりますと、去年の賞金総額は一昨年に比べましてなんと50億円も少なくなっているんですね(PDF)。これを単純に競輪場数で割りますと、1場につき1億強のコスト減になります。このコスト減がなければ黒字はほとんどなかったのかもしれません。命を張って頑張っている選手の皆さんは大変だろうと思いますが、選手会として競輪場を残す方向で合意してくれたものと思います。わたしも客として持続可能な限り競輪を支援…というとカッコつけすぎですが、とにかく好きなので打ちますよ。

全国の激辛、向日に集え 3月に「KARA−1」初開催

向日市の飲食店などでつくる「京都向日市激辛商店街」は、B級ご当地グルメの祭典・B−1グランプリの「激辛版」ともいえる「激辛グルメ日本一決定戦 KARA−1グランプリ」を3月18日、同市寺戸町の京都向日町競輪場で初めて開催する。

「向日町B級グルメフェア」も同時開催。競輪場内で営業する店を含め約20店舗が地元のグルメを提供する。

 近隣に適当なスペースがないからかもしれませんが、向日市激辛商店街さんは向日町競輪場とよくコラボイベントを行ってくれます(過去の例1,2)。なかなかここまで地元商店街と蜜月な関係を築いている競輪場も珍しいですね。去年の開設記念に遊びに行った際も、投げ入れタオルの中に商店街の商品券が封入されたりしていました。

 中でもこの3月のイベントはかなり大規模なものになりそうですね。是非成功して欲しいものです。開催日程を見てみますと、ちょうどその日は玉野記念の場外をやってるそうですので、うまいことそちらのほうとも絡めることができれば最高ですね。

 そうそう、明日から開催の向日町F2は京都向日市激辛商店街杯だそうです。中日の15日には3月のイベントのプレイベントとも言える「向日市激辛商店街VS向日町競輪B級グルメ対決」が行われるようです(参照)のでお近くの方は是非。

欠場防止へ罰則強化 特別競輪選考除外も

実施は31日から。

 <1>欠場点の付与 級班別審査期間における欠場回数が2回以上となった場合、級班審査時に欠場点(欠場回数+1を点数とする。2回欠場で3点)を平均競走得点から減点する。

 <2>特別競輪などの選考から除外 特別競輪などの選考期間内に欠場回数が2回以上の選手は選考除外となり出場不可となる。

 Twitter上では以前から選手のアカウントがほのめかしたりしてましたけど、記事として出たのはこれが初めてでしょうか。KEIRIN.JPにはまだアップされてないようですが。

 これは車券戦術にとって大事なことですよ。特にボーダー戦。必ず出走表に欠場回数を表記して欲しいところです。

 気になるのは落車して怪我した場合の免責の基準です。落車した場合は必ず免責されるのでしょうか。もしそうならば混乱は少ないでしょうけれども、そうじゃない場合、今までであれば欠場したような怪我でも点数の関係で出場を余儀なくされるケースが出てくることもあるでしょう。これも車券戦術に絡んできますので、基準を明確に、そして早急に示して欲しいと思います。

韓国競輪グランプリが行われました。

 たまたまYouTubeで韓国競輪のグランプリの動画を見つけました。昨日行われたそうです。日本では賞金王決定戦有馬記念豊橋オーナーズレース祭、高知競馬ナマケット3特別(ニコ動)と公営競技の盛り上がった一日でしたが、韓国でも大イベントだったのですね。

 レースを見てみましょう。日本語による出走表も見つけました(参照)。みんな4倍以上のギアを踏んでいます。333ドームバンクの光明ドームで行われたようです。

 まずは誘導員のユニークなジャージに目が行きますね。そしてUCIケイリンライクなレース。最終ホームでカマシを打った5番キム・ヒョンギョンと勝った4番イ・ミョンヒョンに強さが印象に残ります。最高峰のレースですので当然かもしれませんが、レベルの高さを感じました。イ・ミョンヒョンはなんでも今年の最優秀選手だそうです(参照)。

 ところで、出走表の200mタイムというのはフライングダッシュを計測したタイムなのでしょうか。それとも実戦の最高上がりタイムなんでしょうか。もし後者であれば、一昔前には日本のA級上位クラスと言われた韓国競輪のレベルに対する認識を大きく見直す必要がありますね。来年三月の日韓競輪が楽しみです。イ・ミョンヒョンを観てみたいなあ。