観音寺競輪場とお別れの会

 行ってきました。

 選手のトークショーに合わせて到着。まずは馬場圭一支部長。おしゃべりは得意です。

 続いて自他共に認める広報部長船曳義之(83期)。観音寺開催最終日の影のMVPですね。

 船曳選手と言えば勝利時のガッツポーズが一部で人気です。馬場圭一支部長もガッツポーズ派なので二人で、香川支部みんなでガッツポーズして盛り上げようと提案。大賛成です。

 チラシには大西祐と児玉眞一郎のトークショーとありましたが、コダシンさんはちょろっと出てすぐ引っ込んじゃいました。なんでも今は副支部長なのだとか。

 香川雄介はコダシンさんに引っ張ってもらって優勝した観音寺F1を思い出のレースとして挙げていました。このときはコダシンさんも頑張りましたが、誘導も頑張りました。


 銭形くんも大活躍。4月からはサテライト観音寺のキャラクターです。


 固定自転車体験のギア倍は50×12の4.17回転です。今のトップ競輪選手がどんなギアを踏んでいるか体験して欲しいとのこと。いやあ重かったですよ。

 最後とのことでバンクで走らせてもらったのですが、いろいろ普段なら入れないところに行くことができました。

 選手駐車場の隅にあった祠。


 選手宿舎の植え込みには観音寺名物寛永通宝


 敢闘門の中の車止めです。数々の名車がここに置かれたかと思うと胸熱です。

 控え室で発走を待ちます。


 バンクからホームスタンドを望みます。こう観ると立派なスタンドですが老朽化が著しく、数年後には取り壊されます。

 船曳ごっこです。

 馬場支部長によるとバンクは数年は練習場所として残るそうなんですが、走ってみるとひび割れが目立ちます。下が砂地なので傷みやすいんですね。何年もってくれるかな…。
 


 ここに再び鐘がつるされることを密かに願っています。


 帰り際に我が町まんのう町最速の男大西祐選手と少し話をさせてもらいました。大西選手がまんのう町に引っ越してきたと知って以来密かに想い願っていた夢を伝えました。是非、記念と言わずG1を取って夢を共有させて欲しいと思います。わたしが以前から練習にいいのではないかと思っていた場所で車誘導をやっているとか。ほんと、まんのう町は自転車の練習に最適な環境なんです。大西選手は小学四年生のときのバンク走行イベントがきっかけのひとつとなり選手を志したとか。観音寺が生み、まんのう町が育てた大西祐選手の飛躍に期待しています。観音寺競輪場の遺伝子はなくなりませんよ。



さよなら観音寺競輪/「感謝デー」イベント開催(四国新聞)

遠征備え日々疾走 大津びわこ競輪場廃止1年

選手会滋賀支部長の岡田裕康さん(39)は「ここのバンクはスピード練習のできる県内唯一の場所。アマチュアの方も使っており、ぜひ残してほしい」としつつ、施設の活用について「サイクリングブームの中、ビワイチ(琵琶湖一周)をする人向けの道の駅を併設したり、スタンド棟を図書館に改装しても面白い。市民に親しまれる場に」と提案している。

 滋賀県所属の選手は46人もいるとのこと。愛媛県所属も含めて10人程度しかいない観音寺とは大違いですね。競輪選手は練習が仕事、競走は集金です。開催してなくてもバンクは大事な仕事場ですからなるべく残す方向でお願いしますよ。それは観音寺も同じです。

 観音寺は来週の日曜日、バンクを走れるイベントがあります(参照)。マイ自転車持ち込みOKということでわたしもロードバイクを持ち込んでちょっと前の香川雄介ごっこ(外帯線ギリギリ抜き)とか大西祐くんごっこ(カマして直線大タレ)などを楽しみたいと思います。できることなら今後も定期的にバンクの市民開放をお願いしたいところです。サテライトの外れ車券ウン1000円分で1時間走行可とかどうです?

 観音寺の宿舎も利用方法が検討されています(参照)。そこでも書きましたが、びわこも宿舎が残っているならサイクリングターミナルに整備したらいいんじゃないですかね。旧びわこ競輪場はびわ湖畔にありますから岡田支部長も言うようにビワイチの拠点にぴったりです。ビワイチはわたしも若い頃やったことありますけど、超気持ちいいですよ。
 

 

観音寺最後の日の記録。

 競輪客の皆さんのツイートをtogetterにまとめました。検索して適当に拾っただけですので荒いまとめですが。なんとyoutubeに当日の模様の2時間もの超高画質動画がありましたのでそれも貼りつけております。これは貴重な映像ですよ。ではゆっくりと御覧ください。4つめの動画の20分頃からは観音寺市長の挨拶があります。お忙しい方はこれだけでもどうぞ。理由はここでは述べません。

ありがとう観音寺競輪場。 - Togetter

明日は観音寺競輪場のお葬式です。

 10年前に西宮競輪場の葬式に参列して以来、2回目です。西宮で寂しい想いをしたのですぐ後の甲子園の葬式は行きませんでした。門司、花月園びわこも。

 観音寺はよく頑張りました。いわゆる観音寺方式はもう無くなりますが、開催減による収益確保の流れに先鞭をつけました。結局運営会社の経営難から岸和田に引きとってもらうかたちになりましたが、競輪場空白地となった兵庫にサテライトを新設するという攻めの姿勢も見せました。よもや母屋も岸和田に取られることになるとは思いもしませんでしたが…。

 いやまあ大往生ですよ。21世紀の廃止競輪場の中では、ほんと。観音寺方式やってなかったら今頃累積赤字がウン10億とかでしょうからね。手は尽くしました。

 西宮の葬式ではね、市長の挨拶にものすごい怒号が飛んでたんですけど、個人的には観音寺ではそんなことないほうがええなあと思います。思えば香川に帰ってきてから10年、よく遊ばせてもらいました。ありがとう。

 遠方から多数の参列の意向をいただいています。観音寺競輪場は幸せものです。では明日、にぎやかに送り出してやりましょう!

競輪施行者の皆様へ、小商いのご提案。

 なんだか怪しいタイトルですが、怪しいことないですよー。ほんとだよー。

 競輪のライブとダイジェストがKEIRIJN.JPに一本化される前、いくつかの施行者はYouTubeを使ってダイジェスト映像を配信していました。独自サーバーと併用というパターンが多かったかな。熊本や取手、前橋といったあたりですね。KEIRIN.JPができてからも続けているのはわたしが把握している限り前橋だけとなりました。

 これ、もったいない話だと思うんですよね。確かにレース結果からダイジェスト動画へワンクリックで行けるKEIRIN.JPならではの利点はあります。しかしTwitterFacebook、ブログなんかでwmvストリーミングビデオは紹介しづらいという欠点があります。アドレスは長いですし、WMPが立ち上がってしまうのってイヤですよね。スマートフォンでは閲覧すらできません。*1その点、YouTubeですとソーシャルメディアでの紹介が簡単、短縮URLも有り、スマートフォンでも簡単に閲覧できます。そしてコストもかかりません。

 ソーシャルメディアなどを通じて爆発的にアクセスが伸びることも期待できます。たまたま競輪を目にする人を増やすことができるのです。別にタレントさんやグラビアアイドルを使わなくてもです。どんどん競輪のレース動画をYouTubeに流しましょう。その際、アクセスを増やそうと思えばタイトルやタグを日本語と英語のバイリンガルにすることです。海外の自転車好きの間では競輪は人気ですからね。例えばこの動画は、まあ大量落車が受けてしまった面はありますが、6年間で30万のアクセスを集め、今でもアクセスは伸び続けています。コメント覧はほとんど英語です。http://youtu.be/dFRahWnA4YM

 なかなか商売の話になりませんけど、実はさっきの動画はわたしがアップしたものなんですね。よくネタで「世界で初めてYouTubeに競輪動画をアップした男」とか言うのですが、当時はYouTubeに日本語版がなく、日本人でも英語でアップするのが当たり前みたいな感じでした。この動画のアクセスが10万を超えた頃でしょうか、YouTubeというかGoogle様から、「お前の動画に広告を掲載しないか」みたいなメールが来たんですよ。でもこれ、競輪場のサイトからダイジェスト映像ぶっこ抜いてアップしたもので、わたしは権利者じゃないので実は広告で金儲けする資格がありません。そんなわけで今でも広告は掲載していません。

 しかし競輪場がアップする映像なら問題はありません。詳しいことはYouTubeのパートナープログラム(参照)を見てください。タイトルやタグや説明文はバイリンガルにしたほうがよいですが、というか絶対そうすべきですが、その手間も事前にいくつかのテンプレートを作っておくことでほぼ解決できます。そのための人員を新たに用意しないといけないほどの手間ではありません。アップするのは開催日だけですしね。

 前橋競輪のYouTube動画はタイトルと説明文を日本語、タグを多言語で記述していますけれども(参照)、全てを英語と日本語のバイリンガルにしたほうがアクセスは上がると思います。まあハングルのタグくらいはあってもいいかな。YouTubeには各動画ごとにアクセス解析が用意されていますから、それを利用して試行錯誤すればいいと思います。

 まずはある程度のアクセス数がないとパートナーにもなれませんから、すぐにお金が儲かるという話ではないのですが、競輪の広報をしながら、なおかつ収益が得られてしまうというお話なんです。よっぽど爆発的なアクセスがないと新たな収益源と言えるほどにはならないと思いますが、世界的視野に立つと競輪にはそのポテンシャルが秘められていると思います。また、外国人への競輪のプロモーション効果については以前何度か書きました(これとか)。
 
 我々競輪客もTwitterやブログなどで積極的にYouTube動画を使ってコミュニケーションすれば楽しいですし、同時に競輪場の収益に貢献することもできます。まあわたしが考える事ですので、そんなのすでに検討済みだよと言われるかもしれませんけど、もしまだでしたらひとつ考えてみてくださいよ。最近注目のNAVERまとめを使ったマネタイズよりはよっぽど費用対効果は高い思います。あ、YouTubeでのライブラリが充実してきたら、特定のレースだけをNAVERまとめでまとめるというのも手ですね。

*1:なんだか閲覧できるアプリがあるそうなのですがわたしの環境ではできませんでした

北関東の競輪場の話題

 たまたま2つ記事が続けてでましたのでまとめて紹介したいと思います。

北関東の公営競技、若者・女性開拓急ぐ ネット中継ナイターも(日経)

 いくつかの公営競技場の話題が掲載されています。ピックアップして見てみましょう。

 まず前橋ミッドナイト競輪の話題です。

出だしは好調。2月2、3日に開いた第1回は、車券売り上げが計1億3600万円と損益分岐点の9500万円を上回った。通常の2日間のレースでは車券売り場の運営や場内の警備・清掃などで約1000万円の費用がかかるが、ミッドナイト競輪では「ほぼゼロ」(同)で、初回から黒字を達成した。3月には競輪界トップクラスのレースを誘致。ミッドナイト競輪の知名度を一気に上げようと積極的な広告宣伝を検討している。

 2日間の損益分岐点が9500万円なんですね。スタート当初の小倉はもっと大きな数字だったような。ちょっとソースが見当たりませんけど。前橋は中継にタレントとか使ってないんでしたっけ。前橋ドームのほうが小さいから照明・暖房代も少なくて済むのかな。また、やってるうちに削れるところはどんどん削れますよね。コスト削減とは別に最近はスポーツバーやアイリッシュパブと連携してミッドナイト競輪をアピールしてますよね。これはいいことだと思います。できれば地方都市でもお願いしたい。高松でもやるんならボランティア解説引き受けますよ。

 
 続いて未だ開催再開に至らない取手です。

ハード面の改善でアピールするのが取手競輪(茨城県取手市)。老朽化したメーンスタンドを解体しバックスタンドを改装してメーンにする。席も座り心地の良い座席を導入し「施設の魅力を高め、若い世代を集客する」(担当者)狙いだ。

 記事の冒頭部分にもありますが、26億円をかけた大改修だとか。基金がいっぱいあったのでしょうか。取手競輪場の公式サイトに詳述してありました(参照)。ホームとバックを入れ替え、現在のメインスタンドを解体してこの秋にも再開とのことです。ホームとバックを入れ替えるのはなんだか宇都宮競輪場みたいですね。


 その宇都宮についての記事があります(参照)。

 見出しがアレなのはスルーしまして、まず、Kドリームスに加入しますよというのと、これがポイントですが、注目の4月からの新重勝式にも触れられています。

また、競輪場や専用場外などで販売している7種類の車券もネットで購入できるようになるほか、競輪界の活性化策として、記念競輪以上のグレードレースでも、幹事施行者の立川市と他の競輪開催施行者で共同開催する重勝式「ドカント」を4月からネットで統一発売する。同事務所がドカントを共同開催するのは5月に同競輪場で開かれる63周年記念競輪2で、収益の分配が受けられるという。

 同事務所は、ネット販売による売り上げを約1億9340万円、収益は約1104万円と見込んでいる。

 キャリーオーバーを共有にする新重勝式について触れられていた以前の記事(参照)では、幹事施行者はもちまわりのグレードレース開催場のような記述でしたが、この記事では「幹事施行者の立川市」とありますね。これが正しいとして、以前の記事の収益配分基準を適用しますと立川丸儲けでよく分からないことになります。うーん。まあまだなんとも言えませんが、せめてダービーが終わったらちゃんと発表して広報につとめてほしいところです。

二段駆けお好きですか?

 Twitterのわたしのタイムライン上では最近二段駆けについての議論がアツいのです。発端はと思い返しますと、向日町記念の決勝(参照)からだったかな。


 
このレースは京都勢が藤木村上兄弟と並んで、柴崎弟、北津留、海老根の別線と対決したのですが、藤木が打鐘前2角から全開で飛ばします。いくら仕掛けの早い藤木とは言ってもこの仕掛けでゴールまでというのはしんどいですね。ちょうど一周ほど駆けたところで番手の村上兄が発進。それをゴール前ぎりぎりで弟が交わして優勝しました。

 わたしはこのレース、兄-弟からの3連単で勝負していました。だから一二着ウラですね。二段駆けは予測していましたけどあれほど早く藤木が全開で踏むとは思ってなかったのです。普段どおりに打鐘くらいから7割くらいの力でカマシを封じながら駆ければ普通に直線ズブズブだし、誰か捲りが来れば村上兄が張りながら踏むだろうくらいの予想です。

 このレースが物議を呼びました。藤木はそりゃ同じ京都の村上兄弟に比べれば格下ですけれども、相手となる他の自力と比べれば決して見劣りする選手ではありませんから、その藤木が死ぬことに対する違和感の表明が多かったのです。まあわたしはといえば、京都内部での序列とか結束力とかを甘く見すぎていたなあとは思いましたが、違和感までは感じませんでした。しかしそういう意見もなるほど理解できない訳ではありません。


 話はガラっと変わるのですが、『弱虫ペダル』という高校ロードレース漫画があるんですね。自転車競技のことなんかシラネーヨという向きもあろうかと思いますが、ちょっとだけお付き合いください*1

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 
 今連載ではインターハイ最終日*2が佳境を迎えていまして、ライバルチーム同士が激しくしのぎを削っています。ロードレースという競技は基本的にチームスポーツで、エース以外のメンバーはエースのサポートにまわります。ただしレースの様々な場面でサポートにも見せ場はあります。しかし今は最終局面、両チームのメンバーたちはエースのために先頭を引っ張っては次々に力尽きて行きます。その死に様は子供の頃に観た『無敵超人ザンボット3』のラストを思い出させます。競輪で言いますと日韓競輪やかつての国際競輪のロケット打ち合い二分戦みたいなもんですね。

 それでまあそういう、次々に仲間のために倒れていくというお話が盛り上がるんですよね。掲載誌もプッシュしています。みんながみんなじゃないでしょうけど、そういうのを好きな人も多いんでしょうね。


 さて、競輪の二段駆けに話を戻します。以上のことも踏まえながらちょっとわたしなりに考えた二段駆けに対する競輪客の態度を類型化してみます。


1.二段駆けに好意的なグループ
(1)二段駆けは予想しやすいから好きである。
(2)二段駆けはラインの人間関係が感じられて好きである。


2.二段駆けに否定的なグループ
(1)二段駆けは勝つつもりのない選手が走っているのでレースの公正を害するとする立場。
(2)二段駆けはレースを単調にしておもしろくないとする立場(本命戦になってつまらないというのも含む)。


3.中間的なグループ
(1)二段駆けも数ある戦法のひとつであり特別な感情を持たないという立場。
(2)明らかな格下が先頭で死ぬのは許せるが、京都ラインの藤木や関東ラインの平原or武田のように他と互角の戦いができる自力が死ぬのは納得いかない。


 こんなところでしょうか。皆さんはどれに当てはまるでしょうか。もちろん重複することもありましょうし違う立場もありましょう。わたしは3(1)を基本としつつレースによって1の各要素を感じることがあります。コンドルの社長さんなんかは1(1)みたいなことをよく書きますよね。


 しかし2(1)はどうしても無視できない意見です。なぜならば競技規則でこのように定められているからです。

敢闘の義務  選手は、暴走、過度の牽制等をしてはならず、勝利を得る意志をもって全力を尽くして競走しなければならない。
    (1)暴走して勝機を逸したと認められる場合
    「例示」
     通常のスパート時期より相当早くスパートしたが、他の選手に追い抜かれ、先頭で決勝線に到達した選手より、6秒程度以上離れて決勝線に到達したとき。

 このように競技規則に敢闘義務が定められている以上、現状はその違反を見逃していることにならないかとの疑問は当然です。初心者にも説明しずらいですよね。しかし制度設計上、「勝利を得る意志」の判定は選手の主観を裁くことになるため大変難しい。そのために客観的に判断できる基準を「例示」しているのですが、いわゆる「6秒ルール」の適用例はあるのでしょうか。聞いたことがありません。なかなか6秒遅れることは大変なようです。力尽きた選手も失格にならないように必死で踏んでいるのでしょう。

 また、他に暴走行為を抑止するためのルールとしては先頭員早期追抜きの禁止があります。こちらはまれに適用があります(最近の例)。実際にはこのルールがあるために6秒ルールが適用されるほどの暴走が抑止されている印象を受けます。


 このように暴走を抑止するための規制は、現状かなりゆるく設定されていることが見てとれます。では6秒ルールの秒数を短縮してはどうでしょうか。この制度設計は難しいところです。勝負事ですから、二段駆けに限らず力尽きて遅れる選手はいます。そのような選手を失格にしてよいのか。かといって規制が死文化している現状が好ましいとも思えません。ゴールタイムの1着と9着のタイムがどの程度離れているのか、クラス別の統計データを元に精密な検討が必要となります。
 先頭員追抜きラインを現状より後ろに設定し直すのはどうでしょうか。実は先頭員追抜きラインにまつわる規制は今までもコロコロ変わってるんですよね。あんまり頻繁にいじりまわすのは好ましくありません。また、追抜きラインをあんまり後ろにもっていくのは攻め手を狭めることにつながり、二段駆けとは別のレースの単調化をもたらします。

 あるいは誘導速度を早くすることで先頭員早期追抜きを不利にし、早い仕掛けを抑止するのはどうでしょう。これでは競輪ではなくケイリンになっちゃいますね。ケイリンガールズケイリンだけで結構でござる。


 そこでルールや先頭員をいじらずに二段駆けをほどほどに抑止するために、ちょっと考えた案があります。現在出走表の成績覧には決まり手とともにS(スタート)H(ホーム線)B(バック線)の先頭通過回数が表示されています。これは客だけではなく選手にとっても大きな指標になっています。よく、「今は意識的にバック数を増やしている」みたいなコメントを聞きますよね。バック数が自力選手としての大きなステータスとなっているんですね。ここにもうひとつパラメータを加えましょう。それは最終直線入り口先頭通過回数です。ゴール前という意味で仮に「G」とでもしましょうか。Gを計数して表示されるようになれば先行選手の最大のステータスはG数になるでしょう。Bを取ってもそれから捲られては後ろのマーク選手は大変だからです。G数が多い先行屋はゴール前までマーカーを連れていってくれる航続距離の長い機関車です。当然マーカーからの信頼は厚くなるでしょう。捲り屋さんもなるべくG数をつけてマーカーの信頼を勝ち取りたいところです。逆に追込みや自在選手はG数を付けたがらないでしょう。先行選手を庇わない選手と見做される恐れがあるからです。前の選手との信頼関係に響きますね。

 やってみないと分かりませんけれども、これだけでも犠牲的な先行を少しは減らせないかなと考えます。先行選手の直線まで先頭で帰ってくるインセンティブと自在・追込みの仕掛けを遅らせるインセンティブを高めるわけです。かくのごとく規制によらずして、主にインセンティブなどによってなるべく自由意志を尊重しつつ人間の行動を望ましい方向に導く方法が最近注目されています。なかなか面白いですよ。

実践 行動経済学

実践 行動経済学

インセンティブと言えば、今思いついたので考えなしにここに書きますが、遅れる秒数が大きいほど9着賞金を減らしてもいいかもしれませんね。同じ9着でも混戦の9着と大きく遅れた9着に差をつけるのは不合理とは思いません。


 さて、これはひとつの叩き台です。二段駆けについては皆さん、いろいろ思うところがあると思います。二段駆けのここがよい・悪い。こうすればいいなどのご意見がありましたらぜひコメント欄にお寄せください。

*1:面白い漫画でわたしは大好きです。競輪編が出ないかなあ。

*2:現実のインターハイロードレースはワンデーレースですが。