競輪マンガのこれまでとこれから(1)


 なんて偉そうなタイトル付けましたが、わたくしマンガについては素人でございまして、この10年間に買ったコミックスといえば競輪マンガとナニ金と西原理恵子福本伸行くらいなものでして、生温かく読んで頂ければ幸いかと存じます。スラ○ダンクやデス○ート*1すら読んでいないのです。


 逃げ口上はこれくらいにして、『Odds』新連載記念のエントリを始めさせていただきます。まずは今までどのような競輪マンガがあったかざっと振り返ってみたいと思います。


二輪乃書ギャンブルレーサー 1 (イブニングKC)

二輪乃書ギャンブルレーサー 1 (イブニングKC)

 言わずと知れた競輪のコーラン『ギャンブルレーサー』です。主人公の関優勝がロクデナシなこともあって、競輪の汚い部分も汚い部分も美しくない部分も・・・汚いことばっかりみたいですが、とにかく清濁併せ呑みの一大巨編。レース場面をラインの人間関係までフォローしてリアルかつ詳細に描いており競輪予想の教科書にもなります。全39+7巻


打鐘(ジャン) 1 (プレイコミックエクストラ)

打鐘(ジャン) 1 (プレイコミックエクストラ)

 「努力と根性の主人公」「エリートのライバル」「人はいいけどどんくさい主人公の親友(当然小太り)」という巨人の星メソッドの基本形を忠実に踏襲した脳みそ筋肉系競輪劇画です。ライン戦の機微やレース展開はなきに等しく、必殺技の優劣で勝負が決まります。主人公の必殺技は「火の玉先行」ですが、捲りでも「火の玉先行」です。なんだかトホホなマンガに見えますが、このマンガの真の見所は実際の競輪選手をモデルにした脇役キャラクターにあります。唇に塩を塗りたくり、奇声を発しながら捲る本田冬美のすさまじさ!全12巻


ケイリン野郎GP 1 (ジュディーコミックス)

ケイリン野郎GP 1 (ジュディーコミックス)

 女性向けコミックの最長連載記録を持っているとかいないとかの『ケイリン野郎』ですが、いつのまにかタイトルに「GP」が付くようになったんですね。昔ブックオフでちょっと立ち読みしただけなのであんまり語れないのですが、競輪選手の嫁さんが主人公の基本はラブコメ&ホームコメディのようです。『ケイリン野郎』全55巻。『ケイリン野郎GP』は3巻まで出て続刊中。


 ここまでは比較的長く続いた(続いている)著名なもの。以下は最近のものを。


もがけ!100万馬力 1―怪物・滝澤正光 (ヤングチャンピオンコミックス)

もがけ!100万馬力 1―怪物・滝澤正光 (ヤングチャンピオンコミックス)

 サブタイトルは「怪物・滝澤正光」。そう、滝澤の伝記マンガです。時折滝澤本人の述懐が入るところが『空手バカ一代』や『プロレススーパースター列伝』などの梶原一騎原作マンガを彷彿とさせますが、そんなに長く続くわけはなく、滝澤が全盛期を迎えるか迎えないかのところで唐突に終了(全2巻)。レース展開は『打鐘』ほどではないにせよほぼ無視。滝澤といえばフラワーライン抜きに語れないと思うのですが、フラワー談合競輪の描写もなし。ギャンブルレーサーがモーニング連載時末期に関の回想の形でフラワー談合競輪を詳細に描いていたのはこのマンガに対する田中誠からの回答だと考えるのはわたしだけでしょうか。


輪道 1―Rindo (少年チャンピオン・コミックス)

輪道 1―Rindo (少年チャンピオン・コミックス)

 当初は高校生のなんちゃってロードレース漫画だったのですが、途中で主人公が競輪学校に入学します。このまま競輪マンガへの道を歩むのかと思われましたが、2004年度の競輪広報大賞優秀賞受賞直後に競輪学校を卒業することなく突然終了。競輪広報大賞の賞金は元々我々の銭です。返してください。レース描写は『打鐘』レベル。全11巻。


 まだまだあるかと思いますが、少しでも読んだことがあるものは以上です。疲れたのでこれからの展望はまた明日。


   

*1:キーワードページからの訪問者に申し訳ないのでリンク防止のため伏字にしました